デジタル一眼カメラ 知っておきたい撮影の基礎知識200
第7回

視点に角度をつけて被写体を演出する「アングル」の力

「押せばそれなりに写る」のがデジタルカメラの良いところですが、自分なりの表現を突き詰めたいと考えたときには「それなり以上」の使いこなしが求められるもの。高性能化が進み「可能なこと」が増えた現行世代のデジタルカメラにおいては、把握すべき事柄も増え続けています。

プロカメラマン・河野鉄平さんによる「デジタル一眼カメラ 知っておきたい撮影の基礎知識200」では、デジタルカメラの仕組みや特性、各種機能の使いどころ、構図の作り方、光の捉え方などなど、カメラ、ひいては「写真」を理解する上で必要となる基礎的な知識を掲載。個々の項目は細かく区切られており、確認したい知識をすぐに参照できる工夫がなされています。

本記事では、PART2「応用的な撮影で欠かすことのできない実践的項目50」より、ハイ/ローアングルの効果について解説します。

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デジタル一眼カメラ 知っておきたい撮影の基礎知識200

「被写体力」が引き出せるハイアングルの効果

地面が背景になることで、背景処理がしやすくなる特徴も
寄り引き同様、カメラアングルの調整も構図を考える上で非常に重要な役割を担います。カメラアングルはカメラを構える角度を指します。この中で被写体を見下ろす角度をハイアングルといいます。

排煙ぐるは総じて、力強く落ち着いた雰囲気で表現できるのが特徴です。通常の水平アングルと異なり、背景が地面になることも多く、うるさい背景をシンプルに描写するために用いることもあります。

ハイアングルは主題にしっかり焦点を当てて撮影できるのも魅力です。広角レンズを使えばダイナミックに、望遠レンズを使えば落ち着いた重厚感のある雰囲気で被写体がとらえられます。

ハイアングルはカメラを下向きに構える状態です。両手を上に伸ばすなどし、高い位置からの視点(ハイポジション)と組み合わせながら撮ることもあります。

人物の表情をより魅力的に

Aモード F2.5 1/400秒 ISO800 WB:晴天 85mm +0.7補正 85mmの中望遠レンズで、ハイアングルからグッと表情に近づき撮影。見上げる様子が印象的に描写されています。

背景処理がしやすい

Aモード F5.6 1/100秒 ISO200 WB:AWB 64mm相当 上の作例もそうですが、ハイアングルは地面が背景になるため、要素を削りやすいです。背景がごちゃごちゃしがちな場面でも有効です。

ローアングルは開放感が演出できるアングル

被写体の高さを強調したりスタイルよく見せられる効果も
ローアングルは被写体を見上げて撮る角度を指します。屋外では空が背景になることが多く、総じて。開放感のある描写になるのが特徴です。また、ハイアングルのときと同じように、背景がごちゃごちゃしている場合には、少し見上げるような視点に切り替えるだけで、背景の煩雑さを軽減できます。

ローアングルでは広角レンズを使うことで、遠近感を強調しながら撮影が楽しめるのも魅力です。樹木や高層ビルは上に伸びるイメージが強調できますし、ポートレートでは全身をローアングルからとらえることで脚長・小顔に撮影できます。なお、ローアングルは低い位置(ローポジション)で利用するのがおすすめ。より高さを強調できます。

ハイアングルは主題にしっかり焦点を当てて撮影できるのも魅力です。広角レンズを使えばダイナミックに、望遠レンズを使えば落ち着いた重厚感のある雰囲気で被写体がとらえられます。

見上げる視点でスタイリッシュに

Aモード F2.8 1/320秒 ISO800 WB:晴天 24mm +0.7補正 人物をスタイルよく描写したければ、「広角レンズ」+「ローポジション」+「ローアングル」の組み合わせで撮ってみましょう。ここでは広角24mmで撮影。脚の長さが強調されています。

空と花を両方撮れる

Aモード F4 1/1600秒 ISO200 WB:晴天 16mm相当 +0.7補正 ローアングルでとらえることで、空を背景に開放的な描写に。花はアングル違いでさまざまな表情を見せます。体を動かし、最良のアングルを探ってみましょう。

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