
美しければなんでもいいってもんじゃないだろ、自分が切ったシャッターに価値があるのだ。
僕の目の前の風景や、語りかけてくる人に愛があるのだ。—(本文より)
プロフォトグラファーの南雲暁彦氏が、ライカで撮り下ろしたフォトエッセイ集『ライカで紡ぐ十七の物語』が10月、玄光社より刊行される。
全17章からなる本書では、各章1本のライカマウントレンズを紹介。1950年代の伝説のオールドレンズから最新型のレンズまでを掲載。レンズの個性を最大限に引き出すべく、撮影のシチュエーションや被写体選び、ロケーション、時間や天候など、シャッターを切る南雲氏のこだわりと撮影に向き合う心情が細やかに綴られていく。
フォトグラファーならではの視点で語られる言葉は、これまでの既存の製品レビューではない。撮影者が被写体と向き合い、自分と対峙し、どのように作品制作に昇華していくのかが綴られている。
文章とともに掲載された作品は大きな見どころ。フォトグラファーの技術と感性により銘玉レンズの特徴を活かした写真は美しくも儚い。フォトグラファーの視線と人生が込められた写真が、観る人の心を打つ。ライカ好きに限らず、写真に関わるすべての人の心に響く書籍となっている。
発売日は、2025年10月16日。現在、ネット書店や全国の書店で予約を開始している。
『ライカで紡ぐ十七の物語』誌面イメージ
本書・はじめにより
この本は2021年11月から2024年10月にかけて玄光社のWebサイトCAMERA fanに掲載された連載記事「南雲暁彦のThe Lensgraphy」から厳選した17話をもとに書籍にまとめたものだ。
連載開始当初、ライカMマウントのレンズレビューという事でオファーがあったのだが、長らくコマーシャルフォトの場に身を置いてきた僕自身にはライカに対して深い知識はなく、ライカの伝説を確信してもいなければ沼にもハマってもいなかったので少し不思議に思ったことを覚えている。ただ縁あってM10-Pを購入したばかりのことだった。
どうやらそれが編集部の新たな試みだと知ったのは、自らが最初に手に入れたズミクロン50mmで作品を撮り下ろし、1本目の記事を書き終えた後のこと。
それは散々語られ尽くしたレビューではなく、プロフェッショナルとして本気で写真やカメラと向き合ってきた目で、何のバイアスもなくライカやそのレンズの本質を見極めさせようということだったのだろう、そういうコンテンツを求められていると思った。
果たして、僕は本気になってM10-Pとズミクロンの50mmで自らの人生と対峙することとなり、嬉々としてその空間を切り取っていった。ライカを手にして今一度目の前に現れたイノセントワールド、写真が紡ぎ出す純粋な世界、その魅力、この連載は今自分がやるべき仕事だ。そう強く感じた連載第一回となったのである。
機材の性能を100%以上に引き出し作品を作っていくのは僕の最も得意とするところだ。今までにプロフェッショナルワークとして沢山の新型カメラやレンズのプロモーションを手掛け、その性能を示せる作品を世界中で発表してきたという自負がある。
ライカには確かに魔法のような魅力があるのだろう、しかし伝説の名玉だろうが何だろうが、僕がそのレンズを通してみた世界がその全てだ。もちろんそういった目でレンズのレビューも書かせてもらったが、この連載を通して出会ったレンズ達と共に、自らの感性や人生を通して表現する世界。それが本書の本質なのだろう。
南雲暁彦
本書の掲載レンズと写真作品の一部
■掲載レンズ
Leica SUMMICRON-M 50mm F2
Leica NOCTILUX 50mm F1.0 2nd Type E-58
MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2
Leitz CANADA TELE-ELMARIT 90mm F2.8 (第一世代)
Leitz Wetzlar SUMMICRON 35mm F2 (第一世代) GERMANY
LEICA SUPER-ELMAR-M18mm F3.8 ASPH.
Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5
Leitz HEKTOR 2.8cm F6.3
Leica APO-SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH.
Leitz ELMAR 3.5cm F3.5
Konica UC-HEXANON 35mm F2
Leica SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPHERICAL(第二世代 / 手磨き非球面)
Leica SUMMILUX-M 21mm F1.4 ASPH.
Leitz HEKTOR 12.5cm F2.5 (ビゾフレックス用)
FUJIFILM FUJINON L 5cm F2.8
Leica SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPH.
Ernst Leitz SUMMICRON 5cm F2.0 1st Rigid
■Leitz Wetzlar SUMMICRON 35mm F2(第一世代) GERMANY
■Leica SUMMILUX-M 21mm F1.4 ASPH.
■Leica SUMMILUX-M 35mm F1.4 ASPHERICAL
著者・プロフィール
南雲暁彦/ Akihiko Nagumo
TOPPAN株式会社 チーフフォトグラファー「匠」
1970年 神奈川県出身 幼少期をブラジル・サンパウロで育つ。日本大学芸術学部写真学科卒
世界遺産を中心に世界約300都市での撮影実績を持つ。風景から人物、スチルライフとフィールドは選ばない。著書に「Still Life Imaging スタジオ撮影の極意」「IDEA of Photography 撮影アイデアの極意」(ともに玄光社)APA会員。知的財産管理技能士。多摩美術大学統合デザイン学科・長岡造形大学デザイン学科非常勤講師
「ライカで紡ぐ十七の物語」は10月16日発売。Amazonをはじめ各書店で予約販売を開始している。

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