戸澤裕司写真展「DESTINY」

アイデムフォトギャラリー「シリウス」 2022年10月6日(木)~ 10月12日(水)

©戸澤裕司

アイデムフォトギャラリー「シリウス」(東京・新宿)にて、戸澤裕司 写真展「DESTINY」が開催される。
戸澤裕司氏は週刊誌のグラビアカメラマンを経て、1989年からフリーとして活動。人物のドキュメント・ポートレートなど精力的に活動を続けていたが、網膜ジストロフィーの進行により左目を失明。右目の視力も大幅に低下した。新型コロナウィルスの感染拡大と時を同じくし、戸澤氏を襲った病。その揺れ動く心境を、日々を生きる人々の姿に重ね合わせたドキュメント。社会不安に揺れ動く2020年4月~2022年5月までの東京を収めた作品が展示される。
会期は、2022年10月6日(木)~10月12日(水)まで。

光は僕の全てだった。

病が僕の身体を蝕んでいった。
網膜ジストロフィーが進行し左目を失い、右目も徐々に光を失いつつある。
完治する術はない。
長く暗いトンネルに入ったまま出口はいつまで経っても見えてこない。

世界もまた同じく光を失いつつあるようだ。
震災、コロナ禍、そして戦争…

人通りのまばらなコロナ禍の東京にマスクを着け大きな箱を背負い疾走する
デリバリーサービスの自転車達、新しい生活様式に新しい仕事が生まれる。
たくましく生きる人間の営み。
自転車は新しい光、生きていく力を人々に運ぶ天の使いかと僕は夢想する。
身体の不自由さ、という知らなかった世界を知れば、同じ不自由さを抱え
異なる人生を生きる人々、異なるさまざまな世界を知ることが出来る。

見えていても見えなかった世界
見えなくなって見える世界がある

カメラは僕の目の代わりとなって世界を透視する。
人と人のつながり、日々の大切な日常、生きてゆく力。
僕らは自ら運命を切り拓いて今を生きていく。

(戸澤裕司写真展「DESTINY」[ステートメント]より引用)

©戸澤裕司
©戸澤裕司

<写真展情報>

戸澤裕司写真展「DESTINY」
会場:アイデムフォトギャラリー「シリウス」
会期:2022年10月6日(木)~10月12日(水)
時間:10:00~18:00(日曜定休。最終日15:00まで)
住所:東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
展示作品:40点(カラー:4点、白黒:36点)

戸澤裕司氏 プロフィール
1964年生まれ。東京綜合写真専門学校芸術学部第一学科卒業
1986年~88年 朝日新聞社出版局週刊朝日グラビア専属カメラマン
1989年から1年あまりアジア放浪
帰国後フリーランスのカメラマンとして再スタート
1996年〜2021年 写真作家藤原新也氏助手
2012年 エプサイトフォトセミナー講師
2013~2016年 日本写真学院講師
2019年~ 「赤城戸澤写真道場」(写真家赤城耕一氏との共同撮影会・講評会)

人物のドキュメント、ポートレイト、作家との紀行などを雑誌で発表。沖縄の竹富島に十数年通い、島の写真など多数発表。リスペクトレコードなどのCDジャケット、アーティスト写真など多数。

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