アニメーターズ・スケッチ 筋肉キャラクター編
第8回

バトルシーンのかっこいい決めカットは一連の予備動作から

イラストや漫画で人間のキャラクターを表現する際には、人体がどのように動くのか、動かせるのか、その構造を理解することが重要です。不自然さのない、説得力のある動きの描写を練習するにあたっては、写真や映像を見たり、ポーズ集や3Dモデルソフトを活用するなど様々な方法が模索されています。

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 筋肉キャラクター編」は、筋肉質なキャラクターの動きを集めたポーズ集です。立ち姿や歩行などの基本動作をはじめ、スポーツ、格闘技、銃や剣などバトルアクションポーズなど約600点を収録しています。著者は1984年からアニメーターとして活躍している羽山淳一さん。

本記事では、Chapter3「アクション系ポーズ」より、バトルシーンや格闘技などの描写に使える攻撃的なアクションポーズの例を掲載します。

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羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 筋肉キャラクター編

攻撃的アクションポーズ

空手の正拳突きです。意外と上半身は動かないです。

ボクシングの右ストレート。これもマンガ的表現で、本当はもう少しコンパクトだと思います。これだと大ぶりすぎて、相手に簡単によけられてしまうでしょう。

予備動作からのフックを打つような感じのポーズ。予備動作の一連の動きを考えて描いています。

上半身の絵の場合、目標物に向かって顔が真正面を向いているわけではないので、目線を入れて、目標物の方向をフォローしています。

力が入り切らずつんのめった感じ。本記事3枚目に掲載した絵は足でしっかり重心を支えているのに対して、重心を支えられていない状態。下はインパクトの瞬間で、全身に緊張感が走って、バランスがとれている状態。この絵はむしろ、空中にいるような感じです。


羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 筋肉キャラクター編

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

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