カッコいいスナップ写真の撮り方
第8回

レストランで料理をとにかく「美味しそうに」撮ってみる

今や誰もがカメラを手にして、日々の記録を写真として残す時代になりました。スナップ写真と呼ばれるジャンルは、目の前の景色、日常を残すという意味では、私たちが最も親しんでいるジャンルかもしれません。

カッコいいスナップ写真の撮り方」では、日頃私たちが撮っているスナップ写真をよりカッコいい作品へと高めていくための秘訣を伝授。著者の野寺治孝さんによれば、「カッコいいスナップ写真」とは「独自の視点」「写真的感性」「空気感の表現」「個性的に撮る」という4つのポイントを押さえた写真としています。自分なりの工夫や視点を持ち、機材やテクニックに頼らず、それでいて場の空気をしっかり捉えることであり、本書ではそれを実践するための考え方について、様々な作例を使って説明します。

本記事ではChapter7「食」より、「レストランのコロッケ」を例とした撮り方、考え方について抜粋して解説します。

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カッコいいスナップ写真の撮り方

料理写真の基本は、なんといっても美味しそうに見えること

旅先や友人と行ったレストランなどで料理を撮ってみましょう。料理だけにとどまらず食材、食器、カッコいいテーブルセッティングもモチーフになります。

料理写真の基本はなんといっても、美味しそうに見えることです。料理にもよりますが露出は明るめで、影を薄くしてコントラストはやや弱めが基本です。アングルは真俯瞰で料理全体を、斜め45度付近からはディテールも狙えます。少しカメラを斜めに傾けると画面に動きが出ます。

絞りは開放値近くにして前後ボケを活かすと空気感がある写真が撮れます。被写界深度が深くなると、メニューのような説明写真になってしまいます。スナップではレフ板使用は難しいのですが、白いテーブルナプキンなどで少し光を返すと断然写真が映えてきます。光が直接、料理に当たると肉眼で見たよりもコントラストが強くなりますので注意しましょう。

有名老舗レストランのカニ・クリームコロッケ

料理写真の基本は斜め45度付近から撮ること。

DATA
東京都・中央区・日本橋のレストラン/午後1時頃
フルサイズ・デジタル⼀眼ミラーレスカメラ
24-105mm F4(105mm辺り)
1/100秒 F4 絞り侵先AE +1・2/3補正 ISO400

撮り方&仕上げ方
ピントは手前のコロッケに合わせる。 露出はプラスに補正する。絞りは開放にして全体的に柔らかいトーンにして背景はボカす。斜め45度で基本の絵作りをする。レタッチではほんの少し赤を下げて黄はほんの少し上げるが、青くならないように注意する。青くなると料理は美味しそうに見えなくなる。

NOTE
老舗レストラン 『たいめいけん』 のカニ・クリームコロッケだ。背景はレストランの雰囲気が出るように取り皿などを配置した。幸い店が空いていたので少し席から離れて撮った。もちろん、レストランで撮る時にはマナーを守ろう。画面下のコロッケの衣はレタッチで消さなかった。 その方がリアルな感じが表現できると思ったからだ。


カッコいいスナップ写真の撮り方

著者プロフィール

野寺治孝

1958年千葉県浦安市生まれ。写真家。海や日常風景の周りに漂う空気感や自然光を活かした撮影に定評があり多くのファンを持つ。主な仕事に松任谷由実のコンサートパンフレットとCD ジャケット、丸の内カレンダー(三菱地所・伊東屋)、サマーグリーティング切手2015 、2016年(日本郵便)などの撮影を手掛ける。その他雑誌、写真展、講演、写真集など多数。
ウェブサイト:http://www.nodera.jp/

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