カッコいいスナップ写真の撮り方
第7回

街や人など撮りながら、動物と出会えたら・・・

今や誰もがカメラを手にして、日々の記録を写真として残す時代になりました。スナップ写真と呼ばれるジャンルは、目の前の景色、日常を残すという意味では、私たちが最も親しんでいるジャンルかもしれません。

カッコいいスナップ写真の撮り方」では、日頃私たちが撮っているスナップ写真をよりカッコいい作品へと高めていくための秘訣を伝授。著者の野寺治孝さんによれば、「カッコいいスナップ写真」とは「独自の視点」「写真的感性」「空気感の表現」「個性的に撮る」という4つのポイントを押さえた写真としています。自分なりの工夫や視点を持ち、機材やテクニックに頼らず、それでいて場の空気をしっかり捉えることであり、本書ではそれを実践するための考え方について、様々な作例を使って説明します。

本記事ではChapter7「動物」より、「黒猫のアップ」を例とした撮り方、考え方について抜粋して解説します。

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カッコいいスナップ写真の撮り方

動物

フォトジェニックな動物と出会うことはなかなか難しいものです。探して撮るよりも一般的なモチーフ(街や人など)を狙いながら、出会ったら撮るというスタンスでいいと思います。ちなみに私は朝の散歩時に野良猫のいる場所で撮っています。動物に特化したければ、動物園や水族館に行ってみましょう。動物は想像以上に遠くに居たりするので200mm以上の望遠レンズは必須です。よく観察していると動きにパターンがある動物もいるので、その動きを予測して撮りましょう。

これは動物だけに限らずスナップ撮影全体に言えることですが、動物と出会ったらまずはその場で一枚撮りましょう。二枚目からは近づいたり、よく観察して、時にはシルエットにしてフォトジェニックな瞬間を待って撮りましょう。面白い瞬間が必ずあります。

黒猫のアップ

レタッチで黒猫の目を強調してみよう。

DATA
千葉県・浦安市・近所の公園/午前7時頃
フルサイズ・デジタル⼀眼ミラーレス⼒メラ
24-105mm F4(105mm付近)
1/160秒 F4 絞り侵先AE -1補正 ISO400

撮り方&仕上げ方
ピントは猫の目に合わせる。絞り値は開放F4にして背景をボカす。 露出はカメラのAEが猫の黒色に反応して、明るくなってしまうのでマイナスに設定する。レタッチでは緑色をやや上げて目の色を強調する。コントラストを強くして猫を黒くするが、完全には黒つぶれにならないよう髭のディテールは残す。

NOTE
毎朝の散歩コースの公園に“クロ”はいる。4兄弟いてこの猫は一番人に慣れている通称“クロ1号”だ。べンチの上にうずくまっていたので近づいて、レンズをマクロ域にして撮った。目が青くてきれいだったのでレタッチでは少し強調した。


カッコいいスナップ写真の撮り方

著者プロフィール

野寺治孝

野寺治孝(のでら はるたか)
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。

ウェブサイト:http://www.nodera.jp/
Twitter:@noderaharutaka
Instagram:@harutaka1958nodera
Facebook:harutaka.nodera

<主な著書>

『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』
『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』

 

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