交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からソニーEマウント用レンズ90本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC」のレビューを抜粋して紹介します。
明るい超広角レンズをリーズナブルに体験
マニュアルフォーカス式の超広角単焦点レンズです。焦点距離を同じくするAFタイプの「SAMYANG AF14mmF2.8 FE」のほぼ半分の予算で手に入れられるというのは魅力的。
同時に撮り比べてはいないのですが、開放での描写はさすがに及ばないものの、1~2段ほど絞れば遜色のない描写が得られるという印象です。複合非球面レンズや高屈折低分散レンズといった特殊レンズが使われているのですからね。本レンズは電子接点を備えておらずカメラ側によるデジタル補正が使えないので、絞って使うのがポイントです。超広角ですから開放での周辺減光もそれなり大きく、作画に生かすなら開放付近でもいいでしょうし、F8まで絞ればほとんど気にならないレベルに収まります。使いこなしには少々慣れが必要でしょうが、そこはじっくりマニュアルレンズですから。
ちょっぴり時間をかけて撮影を楽しむにはもってこい。これだけ明るい超広角レンズをリーズナブルに体験できてしまうことは大変すばらしいことだと思います。