ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター
第5回

ポートレートライティングの実践 レフ板は「大は小を兼ねない」。使い所を見きわめよう

ポートレート写真を撮影するにあたり、光をコントロールする技術は習得しておいて損はありません。その場の光を操作する撮影機材や用品はいくつもありますが、中でも「レフ板」は、持ち運びやすさや汎用性、入手性の高さで人気の高い撮影用品です。

ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター」では、様々なレベルに対応したレフ板の使い方を網羅。レフ板の種類や基礎的な使い方を紹介する「基本編」、スポット光や反射光、複数枚の運用法を教える「応用編」、様々なシーンでの実例をもとに具体的な使い方を伝える「実践編」からなり、あらゆるシーンで使えるレフ板のテクニックを実践的に学ぶことができる一冊となっています。

本記事では「実践編」より、モデルの全身に光を当てる際のレフ板選びについての記述を抜粋して掲載します。

ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター

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立ち姿の全身なら180㎝クラスのレフ板を

ややローポジションから上向きに足の長さを強調。全身にレフ光が当たっていることが絶対条件だ。そうなると180㎝程度のレフ板が必要。このサイズでも光の軸を見ながらレフ光を当てること.

キヤノンEOS5D MarkⅣ シグマ50mm F1.4 DG HSM Art F1.6 1/640秒 ISO200 WB:太陽光 仕上がり設定:スタンダード 180cm丸レフ(白)モデル:久保樹莉亜(オフィスアウイ)

全身をねらうならレフ板は身長と同等以上のサイズを使う

立ち姿を撮影するときは、レフ板の反射光が目的とする撮影範囲をカバーできるかが問題となる。全身をカバーするには180㎝程度の大きさのレフ板を使うことをおすすめする。小さなレフ板では当たる範囲が狭いので、当たらない場所は光が届かず、光のムラができる。このムラを目視しやすくするために、上の比較カットは室内で撮影している。

また、人物から離れて光を当てれば範囲は広がるだろうが、離れることで光が弱まってしまうので、意図する明るさが得られないこともある。白レフを使いたいシーンならなおさらだ。被写体の大きさや、レフ光を確実に当てたい範囲によって、レフ板のサイズを選択する。全身立ち姿はその最たるシーンだ。

ただ、レフ板は「大は小も兼ねる」というものではない。シーンや意図に合わせて適切なものを選ぼう。

使用するレフ板

  • 180cm 丸レフ(白)

80cmレフ板(白)使用

レフ板の照射範囲がわかりやすいよう室内で比較撮影を行った。80㎝のレフ板では、胸元に光の軸を向けても、足元にまで光が届かず暗くなってしまっている。


180cmレフ板(白)使用

レフ板と人物との距離は同じのまま、180㎝のレフ板を用いて撮影。足元までしっかりとカバーしているのがわかる。またレフ板が大きいため、より多くの光が当たっている。


ライティング方法check!

光源

光源は窓からの自然光。

レフ板

白レフをサイドから。

撮影者・カメラ

人物の胸の同じ高さで構える。

人物

立ちポーズ。地面は木材。


ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター

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