赤城写真機診療所
第6回

アクセサリー科:レンズ保護フィルターはレンズ性能を落とすのか?

赤城写真機診療所 ~そんなカメラは捨てなさい~」では、カメラや撮影にまつわる悩みや迷いを「疾患」に見立て、「カメラ科」「レンズ科」「撮影科」「アクセサリー科」それぞれのカテゴリーで、質問を「症状」、回答を「診察」としてカメラや写真、撮影時の疑問に答えています。

「診察」と銘打ってはいますが、要は著者によるお悩み相談。「カメラあるあるネタ」に対する著者の見解を楽しむ一冊となっています。

本記事では「アクセサリー科」における診察内容の1つを抜粋してお届けします。

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レンズ保護フィルターをつけると、レンズ性能は落ちてしまうのですか?


理論上、厳密にいえば落ちると思うんだけどね。なぜならレンズ前にフィルターをつけると、レンズ構成の1枚にフィルターが加えられる理屈にもなるからだ。

光学性能の影響はフィルターの精度、とくに平面性が重要になる。本来はフィルターはレンズにとっては「余分なもの」なわけ。最近ではプロテクトフィルターといっても、廉価なものから超高級品まで種類はたくさんありコーティングやら透過率がどうとかはっ水処理がなんたらとか選択に迷うほどだけど、私はごく普通の廉価なものを使っている。

かなり以前のことだが、とあるカメラメーカーの取材でレンズの数値測定をしている現場に行ったときのことだ、そのときに取材用に使っていたカメラのレンズの測定を冗談混じりに頼んだら快く引き受けていただいたのである。このときについでということで、かねてから疑問だったプロテクトフィルターを付けたものと外した状態でレンズの測定数値が変わるのかを試したくてそれぞれを測定してもらった。

結果がどうだったかといえば、両者の違いはほとんど数値上は現れなかったのである。これはメーカーのエンジニア自身が驚いていた。もっとも通常業務ではフィルターを装着してレンズの数値測定など行うことはない。だから、最初からフィルターをつけると、どうせ低い数値になるに違いないとバカにしていたフシすらあるのだ。

私の経験からすると少なくとも汚い中古のUVフィルターとかを使わない限りは問題ないと思うんだけどね。

ちなみに私はレンズキャップ紛失の名人であるから、使用頻度の高いレンズにはプロテクトフィルターつけてます。キャップの代わりになるので必須のアクセサリーなわけ。汚くなれば潔く捨てます。経験的にフィルターによる画像の悪化のいちばんの原因は汚れだと思う。

  写真+イラスト:大村祐里子

 


赤城写真機診療所

続編「赤城写真機診療所 MarkII」(2018年6月29日発売)


著者プロフィール

赤城 耕一


(あかぎ・こういち)

1961年、東京生まれ。東京工芸大学短期大学写真技術科卒業。出版社を経てフリーに。雑誌、コマーシャル、企業PR誌などで人物撮影を主に担当する傍ら、戦前ライカから最新のデジタルカメラまでレビューも行うカメラ好き。カメラ雑誌、書籍など執筆多数。
「銀塩カメラ放蕩記(アサヒカメラ)」「ボケてもキレても(月刊カメラマン)」連載中。

書籍(玄光社):
中古カメラはこう買いなさい!
ズームレンズは捨てなさい!

Twitter:@summar2
ブログ:赤城耕一写真日録


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