オールドレンズ・ライフ
第8回

手のかかる名玉 Super-Angulon-M 21mm F3.4

かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、デジタルカメラ全盛の現代において「オールドレンズ」と呼ばれて人気を集めています。人気のきっかけとなったのは、ミラーレスカメラの普及でした。オールドレンズのほとんどは、そのままでは現行機種のカメラに装着できませんが、マウントアダプターと呼ばれるパーツを用いれば、現代のミラーレスカメラに取り付けが可能。そこから「レンズ遊び」が支持を集めるようになったのです。

写真家・ライターの澤村徹氏は、書籍「オールドレンズ・ライフ(玄光社刊)」シリーズで7年に渡ってオールドレンズの楽しみ方を紹介してきました。その集大成として刊行されたのが「オールドレンズ・ベストセレクション」。ここで採り上げた172本の魅力的で個性的なオールドレンズの中から、本記事では、Super-Angulon-M 21mm F3.4をご紹介します。

オールドライカレンズの定番広角

Leica M10 + Super-Angulon-M 21mmF3.4 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO250 カスタムWB RAW 周辺部がマゼンタかぶりしていたので、Lightroomの段階フィルターで補正した。ライカM10の場合、周辺像の流れはほぼ気にならないレベルだ。

スーパーアンギュロン‐M21ミリF3.4はシュナイダーが供給した超広角レンズだ。4群8枚の対称型を採用し、歪曲の少ないシャープな写りに定評がある。フィルム時代は名広角レンズとして名を馳せた製品だ。ちなみに、ライカRマウントのスーパーアンギュロン-R21ミリF3.4は本レンズがベースになっている。

オールドライカレンズの中でもひと際有名な広角レンズだが、対称型ゆえに後玉が大きく飛び出し、M型ライカに付けると露出計のセンサーを覆ってしまう。そのため露出が暴れるという使いづらさがあった。マニュアルモードで撮影自体は可能だが、適正露出で撮影するのは少々苦労する。

加えて、フルサイズのデジタルカメラでは、周辺像の流れとマゼンタかぶりが発生する。マゼンタかぶりがかなり強いため、撮影後の画像編集は必須だ。現時点ではデジタルと相性が悪いため、名レンズの割りに中古価格は抑えめになっている。画像編集やクロップを前提に撮影するつもりなら、狙い目のオールドライカレンズと言えるだろう。

Mount : Leica M mount / Bland : Leitz / Super-Angulon-M 21mmF3.4 / 中古価格:120,000~200,000円 1963年から1980年にかけて製造された超広角レンズだ。後玉が大きく飛び出している。フードは人気の高い12501だ。黒鏡胴もある。

 

Leica M8 + Super-Angulon-M 21mmF3.4 F5.6 1/500秒 ISO160 AWB RAW UV/IR Filter APS-HセンサーのライカM8なら周辺までしっかり解像し、レンズのポテンシャルが伝わってくる。やや青みが強いのはUV/IRフィルターのためだ。

オールドレンズ・ベストセレクション

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