オールドレンズ・ライフ
第5回

圧巻の描写が人気の第2世代 Noctilux-M 50mm F1

かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、デジタルカメラ全盛の現代において「オールドレンズ」と呼ばれて人気を集めています。人気のきっかけとなったのは、ミラーレスカメラの普及でした。オールドレンズのほとんどは、そのままでは現行機種のカメラに装着できませんが、マウントアダプターと呼ばれるパーツを用いれば、現代のミラーレスカメラに取り付けが可能。そこから「レンズ遊び」が支持を集めるようになったのです。

写真家・ライターの澤村徹氏は、書籍「オールドレンズ・ライフ(玄光社刊)」シリーズで7年に渡ってオールドレンズの楽しみ方を紹介してきました。その集大成として刊行されたのが「オールドレンズ・ベストセレクション」。ここで採り上げた172本の魅力的で個性的なオールドレンズの中から、本記事では、Noctilux-M 50mm F1をご紹介します。

強いコントラストに個性が宿る

Leica M[Typ 240] + Noctilux-M 50mm F1 絞り優先AE F1 1/4000秒 ISO200 AWB RAW 中間距離で前後が大きくボケる描写は、大口径標準レンズのお家芸と言えるだろう。

ノクティルックスは大口径オールドレンズの代名詞と言って差し支えないだろう。第1世代は手磨きの非球面レンズを用いた4群6枚構成。第2世代は6群7枚構成で、非球面レンズを使わずに大口径化に成功した。希少性では第1世代に軍配が上がるが、描写面ではここで取り上げる第2世代のノクティルックス50ミリF1も人気が高い。

開放F1だけあって、ボケ量はズバ抜けてリッチだ。しかし、第2世代ノクティルックスの人気は、単にボケが大きいという理由だけではない。大口径オールドレンズはどうしても開放が軟調になりがちだが、第2世代のノクティルックスは開放からコントラストが良好なのだ。

印象的な影、柔らかく大きなボケ、そしてゆったりとした周辺減光。これらのファクターが絶妙に合わさり、何を撮ってもサマになる。ボケがざわつく場面もあるが、その様子が実に絵画的だ。大口径オールドレンズは様々な種類があるが、ノクティルックスでしか撮れない写真がある。一度そのことに気付くと虜になるレンズだ。

Noctilux-M 50mm F1 / Mount : Leica M mount / Bland : Leitz / 中古価格:600,000~800,000円 1976年に登場した第2世代のノクティルックスは、フィルター径がE58とE60の2タイプがある。写真の個体はE58採用の前期型。第2世代のE58は人気モデルだ。

 

Leica M[Typ 240] + Noctilux-M 50mm F1 絞り優先AE F1 1/500秒 -0.66EV ISO200 AWB RAW 開放でこれだけ印象的な影を描いてくれる。このコントラストが第2世代ノクティルックスの凄みだ。

オールドレンズ・ベストセレクション

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