デジタルカメラやスマートフォンの性能が上がり、シャッターを押せば誰でもカンタンに美しい写真が撮れるようになった。しかし、「ワンランク上の写真を撮りたい、もっとレベルアップしたい」という人も多いだろう。萩原ブラザーズこと、風景写真家の萩原史郎氏と萩原俊哉氏は、共著の「風景写真の便利帳」で自然風景撮影にかかわるさまざまなノウハウを紹介している。
本記事では、「撮影編」から魚眼レンズの使いこなし方をご紹介する。
CHECK POINT!!
- 被写体のカタチの面白みが誇張される
- デフォルメ効果を活かしインパクトを高めよ
- 使いどころを考慮せよ
魚眼レンズは意図的にゆがみを残したレンズで、約180度の画角を持つ。ゆがみを活かせば強烈なデフォルメ効果が得られる。
魚眼レンズには対角線魚眼と円周魚眼がある。対角線魚眼レンズは画面の対角線が180度となるレンズで、円周魚眼は全周で180度となる。このため、円周魚眼レンズで撮影した画像は円形の画像として記録される。
自然な印象にも撮影できるが、せっかく魚眼レンズで撮影するのだから、被写体のデフォルメ効果を積極的に活かすほうが面白い。水平線を画面の中心線から外すことで効果が大きくなる。形のユニークな被写体は、よりデフォルメされてその姿を大きく変え、よりいっそうインパクトが高まる。
魚眼レンズを通した映像は肉眼ではわからないことが多い。実際にカメラを覗きながら、被写体にアプローチするとよい。
魚眼レンズのデフォルメ効果は強烈なだけに、使いどころを誤ると違和感ばかりが強まってしまう。どのような被写体が向いているか熟考して使おう。
円周魚眼レンズで撮影するとイメージサークルが狭いために円形画像として記録される。また、円周魚眼と対角線魚眼の双方を一本で楽しめるズームレンズもある。なお魚眼レンズは写り込む範囲は広大なので三脚や足が入らないよう注意しよう。
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