香川久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック
第4回

何もかもが異質な「ボスキャラ」のコンセプト

香川久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」では、「戦う女性キャラクター」(バトルヒロイン)を切り口として、キャラクターデザインの方法論を解説しています。

著者の香川氏と馬越氏は1990年代より活躍しているアニメーター。様々な作品に作画監督や原画として参加しています。とりわけテレビ朝日系で毎週日曜日に放映されている「プリキュア」シリーズには両氏が共通して作画に関わっており、その内容はまさに「戦うヒロイン」を描いた作品群です。

本書では、前後編からなる「バトルヒロイン」のオリジナルストーリーをもとに、それぞれの作品に登場するキャラクターをデザインするうえで留意すべきポイントを中心に解説。キャラクター自身の設定や性格、表情やポーズの付け方、モチーフに合わせたコスチュームのディテールから描写のちょっとしたコツにいたるまで、愛されるキャラクターをデザインするためのノウハウを伝えています。

本記事では、馬越氏が担当する後編「フレッシュチャージ!ピュア★プリンセス!」より、「敵キャラ(タイプA)」のデザインを一部抜粋してご紹介します。

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敵キャラ(タイプA)

ケミカリアンの幹部。常に不気味な笑みをたたえており、その表情は決して崩れない。美容に悩む人々を容赦なく怪物に変えてしまう恐ろしい能力を持っているが、アセルスはそれを「醜いものを美しくしただけ」だと考えている。

Order Point
人工甘味料をモチーフとした筋肉魔女にしてください。

Umakoshi’s Point
“人工的”という部分をキーポイントに化け物じみた外見のキャラにしました。美容願望がいきつくところまでいきついてしまった、というイメージです。

Name:
アセルス
(ケミカリアン)

Character Data:
モチーフ: 人工甘味料「アセルスファムK」
年齢・性別: 24歳・女性
性格: 筋肉魔女。トレーニングとダイエットが生きがい
特徴: 体重や体型が気になっている人につけこんで、人を「フトルーナ」に変えてしまう
能力・得意技: 圧倒的なパワーでラブプリンセスを苦しめる

鼻筋で年齢を表現

年齢を上げていく手段として、鼻筋を長く描きます。年齢が低くなればなるほど短くします。

(右上)瞳はハイライトなしで、その分目より歯のほうにハイライトをいれています。

(左下)ハリウッド女優みたいに真っ白な歯で、そこに光が当たるとハレーションを起こすようなイメージで。

(右下)髪型はシルエットが極端な形状になるようにデザイン。アメリカの60年代のピンナップガールをイメージしています。

 


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香川久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック

著者プロフィール

香川 久&馬越 嘉彦

香川 久(かがわ・ひさし)

大阪美術専門学校出身。卒業後はムッシュオニオンに入社。スタジオコクピットに移籍後、『美少女戦士セーラームーン』や『少女革命ウテナ』、『フレッシュプリキュア!』『ソウルイーター』などの作画監督・キャラクターデザインを担当する。近年では『タイガーマスクW』のキャラクターデザインを手掛けるなど、活躍の幅を広げている。

 

馬越 嘉彦(うまこし・よしひこ)

東京アニメーター学院出身。ムッシュオニオンに入社。スタジオコクピットに移籍後、『スーパービックリマン』で初の作画を担当。1994年OVA『グラップラー刃牙』で初のキャラクターデザインを担当。『ハートキャッチプリキュア!』で、第10回東京アニメアワード個人部門キャラクターデザイン賞を受賞。


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