日本の化粧の変遷100年
第7回

「自立した強い女性の時代」1980年代キャリアウーマン風メイク

「ファッションは時代を映す鏡」と言われているように、服装やヘアスタイル、メイクの流行も時代とともに移ろってきました。日本においては明治時代に欧米文化が伝来し、「お歯黒」や「引眉」などそれまで広く行われてきた化粧の様式が一度否定され、今日の化粧文化に連なる化粧品の研究開発も進み、大正時代には庶民の女性たちに西洋風の化粧文化が普及するに至りました。

日本の化粧の変遷100年」では、1920年代から現代まで、100年間にわたる化粧の変遷を写真とイラストで解説しています。各時代のメイクの特徴や、現代で再現するためのポイント、あると便利なメイク道具も紹介しており、メイクのアイデア出しや資料として活用できる一冊となっています。監修は資生堂ビューティークリエイションセンター。

本記事ではChapter7「1980’s」より、80年代、女性の社会進出が著しい時代のキャリアウーマン風メイク再現を紹介します。

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日本の化粧の変遷100年

マニッシュな印象の「やや短め&濃いめの太眉」

細眉から、ナチュラルメイクの流れで自然な太さに戻った1970年代。1980年代に入り、キリリとした太眉が特徴的なアメリカの女優ブルック・シールズが化粧品モデルとして来日。それを機に太眉ブームに火がついた。

再現ポイント:ブラシ使いのテクニックでナチュラルに

  1. ダークブラウンまたはグレー系のパウダータイプのアイブロウで、太めの眉頭から現代の標準的な眉(第3回参照)よりやや内側の繭山に向かって直線的に見えるように、やや短めの眉を描く。
  2. 眉マスカラで毛流れを活かして眉頭に太さを出し、自眉が濃く、毛がない部分との差が大きい場合は、ペンシルで埋めるように形を整える。

眉デザインとブラシの使い方
眉尻の終わりの位置の目安は、小鼻と目尻の延長線上とする現代の標準的な眉よりやや内側の口角と目尻を結んだ延長線上とした、短めの眉。まず濃くなってもよい[1]中央部を直線的に見えるように。続いて[2]眉尻、[3]眉頭の順にイラストの矢印のようにブラシの向きを変えながら描く。仕上げに[4]の眉マスカラで毛を上向きに立たせて。

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