日本の化粧の変遷100年
第6回

1970年代、ヒッピー文化のもと流行した「退廃的」メイク

「ファッションは時代を映す鏡」と言われているように、服装やヘアスタイル、メイクの流行も時代とともに移ろってきました。日本においては明治時代に欧米文化が伝来し、「お歯黒」や「引眉」などそれまで広く行われてきた化粧の様式が一度否定され、今日の化粧文化に連なる化粧品の研究開発も進み、大正時代には庶民の女性たちに西洋風の化粧文化が普及するに至りました。

日本の化粧の変遷100年」では、1920年代から現代まで、100年間にわたる化粧の変遷を写真とイラストで解説しています。各時代のメイクの特徴や、現代で再現するためのポイント、あると便利なメイク道具も紹介しており、メイクのアイデア出しや資料として活用できる一冊となっています。監修は資生堂ビューティークリエイションセンター。

本記事ではChapter5「1970’s」より、ヒッピー文化のもと流行した”退廃的”メイクの再現を紹介します。

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日本の化粧の変遷100年

“ダブルアイシャドー”で立体感を演出「カラフルな色使いで作るタレ目風」

戦後、メイクのお手本としてきた欧米のレベルに追いつき、最後まで普及しなかったアイメイクが日常的な化粧として定着。憧れの「外国人顔」を、1960年代には「線」で表現していたけれど、この時代にはアイシャドウの「ぼかし(面)」で作っている。

再現ポイント:3色のアイシャドウをぼかして目元の陰影を際立たせる

  1. 黄色のアイシャドウをアイホールにのせる。
  2. 上下のまぶたの目の際にブラウンのアイラインを描き、ブラシでなじませる。
  3. ブラウンのアイシャドウを、上まぶたの目尻側の骨格に沿ってのせる。目尻のくぼみからアイホールに向けてラインを描き、ブラシでぼかして形を整え、くぼんでいるような立体感を強調する。下まぶたはアイラインに重ねるように幅広くぼかす。
  4. 黄色のアイシャドウを上まぶたの眉山の下にぼかす。下瞼は際から頬骨付近まで幅広くぼかす。グリーンのアイシャドウを3のラインの外側から下まぶたにのせ、黄色のアイシャドウとなじませる。
  5. まつ毛をカールし、つけまつ毛をつける。長さと束感があり、毛先が繊細なものを選び、ボリュームがありすぎるものや、毛先が重いものは避けて。下まぶたは、毛先が内向きになる角度で、目尻の際から少し離してつけ、タレ目を強調する。
  6. マスカラで、まつ毛の根本をメインに、つけまつ毛となじませる。

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