「ちょっぴりHなおんなのこの描き方」は、「セクシーな女性キャラクターの表現」に特化して人物イラストの描き方を指南する主旨の書籍です。著者はグラマラスな女性のイラストで人気の高いイラストレーター、方天戟氏。
女性の体の構造から各パーツの描き方に加え、様々なポーズや女性らしい仕草の作例を多数収録したほか、見た目から内面を感じさせるようなキャラクターづくりのコツや、陰影によるシチュエーション表現などにも言及しており、イラストレーターが女性の身体を作画する際に留意しているポイントがわかる内容となっています。
本記事では、Chapter3「女性の下半身を魅力的に描こう」より、「臀部と大腿部付近の表現」に関する記述を抜粋して紹介します。
日常の中で、女性を魅力的に描く上で最も重要なパーツが下半身です。制服やスーツを着た状態でもヒップラインや太もも、足首のくびれなど、描き方によって、ちょっぴりエッチでセクシーな女の子を演出できます。
下半身の基本と見え方を学ぼう
足の基本構造を知ろう
腰から下のいわゆる下半身部には、局部とお尻、太もも、足首のくびれなど、女性らしい魅力的な部位が多く存在します。ズボンをはいていてもヒップラインはきれいに描けますし、スカートなら太ももを魅惑的に描いたり、パンチラといった演出も可能です。
正面
しゃがむと股間の隙間から局部が覗き見えるなど、ちょっとエッチなシーンを描くことができます。
- 成人女性の場合、男性よりも骨盤が広いため、腰まわりが大きくなります
- 太ももの筋肉は外側から膝に向かって湾曲するように流れています
- 男性と比べ、股間の隙間が広いのが特徴です
- 日本女性には足が外側に反っているO脚のケースも多く見られます。その特長として、膝頭が内向きになり、つま先も内向きになりがちです
- きゅっと締まった足首は女性のセクシーポイントです
背面
丸みと張りのある女性のお尻。背中から太ももにかけて、なめらかでセクシーな流線状になります。
- お尻が丸みを帯びている分、くぼみのような箇所ができます
- 丸みのある女性のお尻は、太ももとの境目に弓状にラインを入れることで立体感を出すことができます
- 膝裏にはハの字型の筋があり、細い線で脂肪がこんもりと付いているように描くと、足全体がやわらかいイメージになります
- 足首を細く描き、膝裏の筋に比べ、アキレス腱をはっきりと入れることで、より女性らしいセクシーさを演出できます
体の動きで変わる股間の見え方
体の動きや体勢によって、股間がどのように見えるのかを頭に入れつつ描くことでリアリティのある作画が可能になります。ここでは、太もも周辺の4つの筋肉(大だい殿でん筋きん、縫ほう工こう筋きん、内ない転てん筋きん群ぐん、薄はっ筋きん)の動きと体勢によって変わる股間の見え方について一例を挙げます。
伸ばす
柔軟体操などで足を伸ばす場合、太もも内側の縫工筋、内転筋群、薄筋の3つを意識して描きましょう。なかでも足を開いた時に目立つ薄筋をリアルに描くことでよりセクシー度がアップします。
- 足を広げて伸ばしているため、局部の膨らみは目立ちません
- 薄筋がスジ張って見えます
ワンポイント:太もも周辺の主な4つの筋肉
- 大殿筋……お尻の筋肉で、そのじん帯は太ももの外側を這うように膝まで伸びています。
- 縫工筋……大もものまわりをらせん状に膝の内側まで伸びています。
- 内転筋群…股間部分に広がる内股の筋肉です。
- 薄筋………局部周辺から伸びる太いスジのような筋肉です。
局部の描き方で変わるセクシー度
ちょっとエッチなシーンを描く時、スカートから覗く局部などをいかにセクシーに描くかが重要なポイントになります。角度や姿勢によって見え方が違ってきますし、スジや影の入れ方によってリアル感が増したりします。
パンチラのドキドキ感
体育座りのシーンなどで、少年漫画でもたまに見かけるカット。清楚系の女子であっても、スカートなどから覗く局部に膨らみをプラスすることでパンチラから得られるドキドキ感を演出できます。
セクシーさを抑える
思春期の女子など、性的なイメージを抑えたい時は、局部の膨らみも小さく描きます。
お尻の描き方を学ぼう
角度によってシルエットに変化を付けよう
立った状態での男性のお尻は両サイド中央部分が凹んで見えますが、皮下脂肪の多い女性はどの角度から見ても丸みを帯びています。ただ、体の姿勢や足の動きなどで丸み具合が変わるので、状況に合ったお尻を描くことが大切です。
横から見たお尻
背中からお尻へのラインをS字状に描くだけで女性の体つきになります。
- 背中のS字ライン、お尻上の凹みも女性的
- 下っ腹には脂肪が付きやすい
年齢別に見るヒップライン
女性のお尻は、年齢によっても大きく違ってきます。思春期までの未成長期から思春期、成熟期、衰退期に至るまで、男性に比べ変化が大きい分、その時期に見合ったお尻のラインを描き分けることが重要になります。
10代前半
思春期を迎えるまでの女の子は、体型やお尻の形は男子とほぼ同じです。
- 骨盤がまだ発達しておらず、腰まわりが細く、寸胴体型です
- ヒップラインも目立ちません
10代後半
女性ホルモンの分泌で乳房およびお尻が育成しています。
- 骨盤が横に広がるように成長し、腰まわり、お尻が大きくなります
- 発育中で張りがあり、太ももとの境目のシワが目立ちません
20代〜30代前半
果物でたとえれば徐々に完熟していく期間で、より肉感的になります。
- 半円状のお尻が太ももにかぶさるような状態となり、丸みのあるシワ(影)ができます
- 太ももの筋肉も発達しきる頃で、張りを感じさせます
40代前後
筋肉が衰えて細くなりはじめるとともに、逆に脂肪は増えるため、重力の影響でお尻が垂れてきます。
- 運動量が減ると太ももの筋肉も落ち、張りがなくなってきます
- お尻全体の筋肉が落ち、その分脂肪が付き、張りがなくなります