「ちょっぴりHなおんなのこの描き方」は、「セクシーな女性キャラクターの表現」に特化して人物イラストの描き方を指南する主旨の書籍です。著者はグラマラスな女性のイラストで人気の高いイラストレーター、方天戟氏。
女性の体の構造から各パーツの描き方に加え、様々なポーズや女性らしい仕草の作例を多数収録したほか、見た目から内面を感じさせるようなキャラクターづくりのコツや、陰影によるシチュエーション表現などにも言及しており、イラストレーターが女性の身体を作画する際に留意しているポイントがわかる内容となっています。
本記事では、Chapter2「女性の上半身を上手に描こう」より、「胴体、腕、手指からなるポーズ」に関する記述を抜粋して紹介します。
胴まわりの描き方を極める
胴まわりの女性らしさを追求
女性らしさの2 大ポイントは乳房とお尻ですが、それをつなぐ胴体部分こそ画力が求められます。かがむ、伸びをする、ねじるなどの動きがあり、それに合わせて筋肉や脂肪の表情も変わってくるからです。
正面から見た胴まわり
ウエストのくびれ、へその位置に注意して描きましょう。
- 鎖骨下からはじまる肋骨部は乳房の下ぐらいから小さくなっているため、それに合わせてウエストもへそのラインの上部まで弓状に細くなっています
- 女性の骨盤は男性に比べ、丸くて幅広いため、腰からお尻にかけて太くなり、くびれが目立つようになります
- 女性はへそ周辺に皮下脂肪が付きやすく、その影響でへその形が縦長に見える人もめずらしくありません
かがんだ時のウエストライン
下っ腹のラインを丸く描くことで女性らしい体のラインになります。
下乳部からウエストにかけての直線的なくびれと下っ腹の膨らみが女性らしいポイントになります
座った女性の後ろ姿
直線的な男性の後ろ姿と比べ、大きなお尻を持つ女性ほど、座ると後ろに突き出しているように見えます。
背中からウエストのくびれの線はほぼ直線、くびれからお尻のラインはカーブを描きながら円形状にすることで、セクシーなヒップラインになります
ワンポイント:キャラクターに見合ったヒップラインを描こう
お尻は女性らしさ、セクシーさの象徴的な部分ですが、キャラクターの年齢や性格に合わせたヒップラインを設定することが大切です。小学生以下であれば男子と同じような寸胴型、思春期やモデル体型であればお尻の大きさをあまり強調しすぎないことが大切です。
腕と手の構造を学ぼう
脇下から肘:肘から指先=1:2 で覚えよう
二の腕(肩から肘まで)を脇下から測った場合、その長さは頭(頭頂部から顎まで)の長さとほぼ同じです。また、肘から指先までの長さはこれらの約2倍です。顎下から股間までの長さが頭の約3倍ですから、これらの比率を覚えることで、上半身の大まかなラフを簡単に引くことができます。
8頭身として考えた比率
顎下から股間までが3 頭身分、肘から手の指先までがおよそ2頭身分です。
腕の筋肉の付き方
腕の筋肉の付き方を覚えることで、動作による筋肉の伸縮やそれによる形を論理的に描写することができます。
腕の屈伸に伴う腕の形
伸ばしたり縮めた時、腕の筋肉や脂肪がどのような見え方をするのかを覚えましょう。
女性の場合は、肩の三角筋や上腕二頭筋を膨らませないように描きます
指と手のひらの比率は1:1で覚えよう
一般的な成人の手を描く場合、中指の長さと手のひらの長さの比率を1:1として覚え、キャラクターのイメージによって比率を変えます。たとえば、ピアニストやモデルは指を長めに、格闘家や野球のキャッチャー、赤ちゃんなどは指の長さの比率を短くすることで“らしい”手の見え方になります。
女性らしい指先の表現をマスターしよう
ものを「掴む」ことで男性の力強さをイメージさせることができる一方、「触れる」など、指先の動きをソフトに描くだけで女性らしさが引き立ちます。
- 指をからませるシーンでも指先に力を入れず、リラックスして軽く触れているように描くことで、心理的や性格的に優しい女性であることを印象付けます
- 小指を垂らすことでよりリラックスした状態に
女性らしい腕と指の動きでセクシーに
腕の組み方で女性の感情を表現しよう
一般的に、女性の方がコミュニケーション能力が高く、さまざまな表情や声色、ジェスチャーで思いや考えを伝える傾向にあります。腕や手の動きにも女性らしい仕草が数多くあり、これらのパターンを覚えることで、感情表現が豊かになります。
手を上げる
手や腕を上げるポーズには、快活さや喜び(時には怒りも)を伴います。
口に手を当てる
手で口を覆う、唇に触れる、髪をいじるなど、手を使いながら表情を作る女性も多く、それらの動作には心理的な意味が含まれることもあります。
ワンポイント:手の動作と心理の一例
- よく髪を触る…不安を感じている
- 口元を覆う…気持ちを隠したい
- 唇に触れる…セクシーさのアピール
- 頬杖をつく…不満の表れ
- 耳を触る…興味がない、苦手意識