ライカMLレンズ・ベストセレクション
第1回

オールドレンズをこれから始める人へ〜ライカレンズを使う前に知っておくべきこと〜

オールドレンズに興味を持つと、いつかライカレンズを使ってみたいと憧れを抱く人は多いだろう。特にズミクロン、ズミルックス、ノクティルックスなどのオールドライカレンズは、まさに憧れの的そのものだ。

写真家の澤村徹氏は「ライカMLレンズ・ベストセレクション」で、新旧を問わずライカMLマウントレンズを紹介している。本家たるライカ製を筆頭に、昭和時代の日本製レンズ、ロシアレンズ、ツァイス、フォクトレンダー、そして昨今台頭してきた中国製レンズまで、様々なタイプのライカMLマウントレンズを豊富な作例とともに取り上げている。

本記事では、1章の「ライカMLマウントレンズ入門」から、ライカレンズ初心者のために、はじめに知っておきたい、ライカのMマウントとL39マウントの違いについて解説する。

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ライカMLレンズ・ベストセレクション

ライカMマウントとL39マウントの関係

ライカのレンジファインダー機用マウントは2種類ある。ひとつめは通称バルナックライカのL39マウントだ。1930年に登場したライカIモデルCから採用がはじまったと言われている。39ミリ径のスクリュー式マウントだ。
もうひとつはライカMマウントだ。1954年、大幅に改良を施したライカM3が採用したバヨネット式マウントである。要はスクリュー式マウントからより利便性の高いバヨネット式マウントに改良されたわけだ。
両マウントはある種の互換性が保たれている。L39マウントのフランジバックは28.8ミリ、ライカMマウントは27.8ミリ。その差は1ミリだ。LMリングと呼ばれる厚さ1ミリの変換リングがあり、これをL39マウントレンズに付けるとMマウント化できるのだ。
ライカMマウントレンズはそのままマウントアダプター経由でデジタルカメラに装着する。L39マウントレンズをデジタルカメラに装着する際は、L39マウントのまま付けるか、Mマウントに変換してから付けるか、2種類の方法が選択できるのだ。

左がL39マウントのバルナックライカ。1930年代に登場した。右がライカMマウントのM型ライカだ。ライカMマウントは1954年に登場し、現在もデジタルM型ライカが採用している。

 

ライカMマウント

ライカMマウントはバヨネット式を採用する。

 

L39マウント

L39マウントは39ミリ径のスクリュー式マウントだ。

 

ライカMLマウントレンズの装着関係図
ライカMマウントレンズとL39マウントレンズを、それぞれミラーレス機とデジタルM型ライカに付ける方法をシミュレートしてみた。L39マウントレンズをLMリングでMマウント化するか否かがポイントだ。

 

LマウントとL39マウントは別モノ

バルナックライカの39ミリ径スクリュー式マウントを、以前はライカLマウントと呼んでいた。ところがライカ社がフルサイズミラーレスのライカSLを発表した際、同機のマウントをLマウントと命名した。この現行のLマウントとスクリュー式のライカLマウントはややもすると混同しかねない。そのため最近は、バルナックライカの39ミリ径スクリュー式マウントを「L39マウント」と呼ぶことが多い。本書ではL39マウントに統一している。

ライカSLに端を発するLマウントは、2018年にLマウントアライアンスへと発展した。ライカ、シグマ、パナソニックからLマウントを採用したカメラやレンズが登場する。

 

ライカMLレンズ・ベストセレクション

著者プロフィール

澤村 徹


(さわむら・てつ)
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

書籍(玄光社):
オールドレンズ・ベストセレクション
オールドレンズ・ライフ 2017-2018
マウントアダプター解体新書
作品づくりが上達するRAW現像読本

ウェブサイト:Tetsu Sawamura official site
Twitter:@tetsu_sawamura


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