日本の化粧の変遷100年
第5回

1960年代、カラーテレビ普及期の「西洋人形風」メイク

「ファッションは時代を映す鏡」と言われているように、服装やヘアスタイル、メイクの流行も時代とともに移ろってきました。日本においては明治時代に欧米文化が伝来し、「お歯黒」や「引眉」などそれまで広く行われてきた化粧の様式が一度否定され、今日の化粧文化に連なる化粧品の研究開発も進み、大正時代には庶民の女性たちに西洋風の化粧文化が普及するに至りました。

日本の化粧の変遷100年」では、1920年代から現代まで、100年間にわたる化粧の変遷を写真とイラストで解説しています。各時代のメイクの特徴や、現代で再現するためのポイント、あると便利なメイク道具も紹介しており、メイクのアイデア出しや資料として活用できる一冊となっています。監修は資生堂ビューティークリエイションセンター。

本記事ではChapter4「1960’s」より、カラーテレビ普及期の欧米風メイクの再現を紹介します。

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

日本の化粧の変遷100年

まぶたに直接描く下まつげもポイント「二重のアイラインで立体感を演出」

「ミニ(スカート)の女王」ツイッギーの来日を機に、欧米に比べて立ち遅れていた空前のアイメイクブームが到来。憧れの欧米人のように、目元に彫りの深さを演出するため、目の際と上まぶたにアイラインを描く「Wライン」のテクニックが流行した。

再現ポイント:白のアイシャドウでWラインを際立たせて

  1. マットな白のアイシャドウをアイホールと眉山の下にのせる。
  2. 黒のアイライナーで上まぶたの目の際に沿って、目の中央はやや太めに、目尻は下げてラインを描く。
  3. 再度、白のアイシャドウをアイホールと眉山の下に重ね、上まぶたに描くラインの位置を確認。
  4. ブラウンのアイライナーで、上まぶたの目のフレームの曲線を意識しながら、アイホールに戦を描く。この時、中央~目尻にかけてやや濃いめに。目尻はグラデーションで消えるようにパウダーでぼかす。
  5. ブラウンのアイライナーで、黒目の下側と目尻のアイラインの相田に放射線状に3~5本のまつ毛を描く。
  6. まつ毛をカールする。目を開けた時、毛先がはっきり見えるよう、上まぶたに束感と長さのあるまつ毛をつける。
  7. マスカラはまつ毛の根元をメインに、つけまつ毛となじませるようにつける。

当時のメイクアイテム
資生堂 アイライナーペンシル
原料にも十分に配慮された品。それまでの黒のみと違い、グリーンやブルーなども含めた全7色があった。

現在のアイテムで再現するなら
【ローラ メルシエ】
①マットアイカラー 02 MORNING DEW

【SHISEIDO】
②マイクロライナーインク 01 Black
③コントロールカオス マスカラインク 01 BLACK PLUSE


日本の化粧の変遷100年

関連記事