「ファッションは時代を映す鏡」と言われているように、服装やヘアスタイル、メイクの流行も時代とともに移ろってきました。日本においては明治時代に欧米文化が伝来し、「お歯黒」や「引眉」などそれまで広く行われてきた化粧の様式が一度否定され、今日の化粧文化に連なる化粧品の研究開発も進み、大正時代には庶民の女性たちに西洋風の化粧文化が普及するに至りました。
「日本の化粧の変遷100年」では、1920年代から現代まで、100年間にわたる化粧の変遷を写真とイラストで解説しています。各時代のメイクの特徴や、現代で再現するためのポイント、あると便利なメイク道具も紹介しており、メイクのアイデア出しや資料として活用できる一冊となっています。監修は資生堂ビューティークリエイションセンター。
本記事ではChapter3「1950’s」より、アメリカンスタイルの影響を受けたメイクの再現を紹介します。
戦後復興期という時代を象徴する「当時、流行した赤い口紅」
化粧品のバリエーションは豊富になってきてはいたけれど、庶民はまだ生きるのに精一杯で、1本の口紅を大切に使っていた時代。その1本に目立つ色を選ぶ女性が多かったことから、華やかな赤いリップが流行した。
再現ポイント:リップグロスは使わずに、クリーミーな質感で
- 口紅に近い色のリップライナーで輪郭を整える。注意したいのは、ストレートラインと呼ばれる、上唇の山から口角までを直線的に描くリップライン。シャープで知的な印象に仕上げることができる。
- ブラシに口紅をとり、輪郭内を塗り描く。
当時のメイクアイテム
資生堂口紅スペシァル コロネット
資生堂口紅スペシァル スプレンダー
1959年、現在の上皇御成婚を記念した、華麗なデザインの口紅。
現在のアイテムで再現するなら
【クレ・ド・ポー ボーテ】
①スティロレーブル n5
②ルージュクレーム ブリアン 103 Legend of Rouge