撮影時のコンディションとして最も基本的で重要な要素は「光」です。撮影者は光が足りなければ照明を用意し、明るすぎればフィルターなどで露出を調整します。光の当て方一つとってもノウハウがあり、撮影者にとって光の使い方、付き合い方は永遠のテーマといえるでしょう。
「自然光だけで美しい ポートレートのつくり方」では、私たちの最も身近にある自然光だけを使ったポートレート撮影をテーマとして、基本的な考え方やノウハウを作例とともに解説しています。
本記事ではChapter4「おすすめのポーズ&シチュエーションの見本帳」より、背景に植物を配置したシチュエーションの作例を紹介します。
おすすめシチュエーション「植物」
花や緑など、植物は比較的身近なところにある。ポートレートのアクセントに使う例を見てみよう。
緑
背景と人物の距離を縮めて、あえて植物の輪郭をくっきりとさせた。顔を三分割構図の交点に置いて主題にしつつ、植物も副題として存在感をもたせた。
絞りを F2.2 にして背景の緑をぼかし、空に溶け込むような感じで撮った。晴れやかな表情とあわせて、春の気持ちいい気候を表現している。
桜
焦点距離135mmのレンズを使って、人が花に包まれるようなフレーミングにしている。背景を適度にぼかすことで、桜であることは感じさせつつ、画面がうるさくなりすぎないようにしている。
白と黄色の花いっぱいの中に立つウェディングカップル。前ボケの白い花と白いウェディングドレスが溶けあうような感じで撮った。