ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック
第3回

立体感と量感さえも表現するBiogonタイプの大口径「ZEISS Loxia 2/35」

交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。

家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からソニーEマウント用レンズ90本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。

本記事では掲載レンズのうち、「ZEISS Loxia 2/35」のレビューを抜粋して紹介します。

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ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック

“Biogon”をEマウントで使う享楽

木の枝の間をかきわけてレンズを突っ込み、廻る世界を表現。 1/320, F2, ISO 100, K

6群9枚のBiogonタイプ。ビオ(生命)とゴン(角度)が由来のこのエレメントは、古くからバックフォーカスが短めの広角単焦点レンズに用いられてきた構成です。特長としては歪曲が発生しにくい点があげられます。

主観的な表現になりますが、往年のレンズも含めて妙にリアリティ溢れる画を結ぶ傾向にあると思います。メーカーの保証対象外となりますが、EマウントにこのBiogonタイプの他社製レンズをマウントすることもできますが、テレセントリック性を考慮しなくてよかったフィルム時代に発売されたものであり、Eマウント用にリリースされた本レンズはぜひとも試して頂きたい1本。「Biogonを使わずにレンズを語るべからず」とでも記しておきましょう。

開放では周辺光量も落ち込み、解像力自体もこの時代としては若干「?」といった状況ですが、一段絞り込むだけで猛烈にすべてが引き締まるあたりに頬が緩みます。Biogonタイプらしく歪曲はきれいに抑え込まれており、建築物等の撮影にも不安はありません。色収差についても良好に補正されています。ボケ味は前後ともに滑らかに、かつ柔らかな溶け込むもの。味わい深いレンズで、交換レンズの楽しさに目覚めたのなら、まず最初に手にして頂きたい1本です。

ZEISS Loxia 2/35
一段絞ってもよかったのですが、ローキー+若干甘さのある描写でかえって時が止まらないかと試したカット。 1/60, F2, ISO 800, K

ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック

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