フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK
第4回

ポートレートに強い「瞳AF」と2種類のオートホワイトバランス

「EOS R」「EOS RP」は、キヤノン最初のフルサイズミラーレスラインナップを支える2機種です。新たにRFマウントを採用し、対応するレンズはまだまだ少ないながらも、RFシステムが生み出す写真、その画質はユーザーから評価を得ています。

フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK」では、キヤノンRFシステムの操作や設定の解説とともに、フォトグラファー自身の手による交換レンズの作例とレビューを掲載。これからRFシステムを使いこなすにあたって、指針となる情報が得られる一冊となっています。

本記事では、Chapter4「Canon EOS R/RPの絶品画質を味わう」より、ポートレート向きの「瞳AF」と、切り替え可能な2種類のオートホワイトバランスについて解説します。

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フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK

瞳AFで細かいピント合わせから解放される

シャープなピントと柔らかなボケ。人物写真、なかでもポートレートの撮影では、この双方が写真の仕上がりを決める重要なファクターとなる。

RFマウントに用意された50mmの単焦点・標準レンズはF1.2という明るさを誇るが、ただ明るいだけではなく、合焦した部分のキレも実に心地よい。その一方、明るいレンズになればなるほど、ピント合わせは極度にシビアになってくる。

EOSR/RPには瞳AFが用意された。その名前が示すように、被写体の瞳を検知して合焦する技術である。一度被写体の瞳を検知すれば、あとはコンティニュアスAFで瞳を追い、ピントを合わせ続けてくれる。これで、微妙なピントのズレを気にすることから開放され、フレーミングや露出に集中でき、あるいはモデルとの円滑なコミュニケーションも行える。一気に撮影のテンポが上がってくる。これで、名手に引けを取らないポートレートハンターになれるのだ。

瞳AFの設定
「AFタブ1(RPでは静止画撮影タブ7)」→「AF方式」を選択する。

「AF方式」を「顔+追尾優先AF」に設定する。「瞳AF」はこの状態でしか作動しない。

上の画面に戻り、「瞳AF」を選択して「する」に設定する。

「コンティニュアスAF」を「する」に設定すれば、合焦したあとに被写体が動いても瞳にAFし続けてくれる。

動く人物も単焦点で狙える

ライブで激しく動き回るボーカルを撮影。三脚を立ててピントを合わせる暇がない状況でも、瞳にAFし続けることができる。RF50mm F1.2 L USM・F1.6・1/320・ISO1000・三宅 岳

雰囲気優先とホワイト優先を状況によって選択

ホワイトバランスは、晴天や曇天といった自然光、あるいは電球や蛍光灯など人工光といったさまざまな光源の違いを乗り越えて、白いものを白く再現するための機能である。天候や光源に合わせて、自分で選択することもできるが、カメラ側で自動的に調節してくれるオートホワイトバランスを使うことが多いだろう。

EOS R/RPには、二種類のオートホワイトバランスが搭載されている。「雰囲気優先」と「ホワイト優先」である。これはたとえば、白熱電球のような赤みがかった照明の下で撮影する際に、どの程度白を白らしく写すか、という機能である。

「雰囲気優先」では、白熱電球の温かな色あいを残した、少し暖色系の雰囲気で撮影ができる。一方で、「ホワイト優先」では、あくまでも白は白として表現するので、やや寒色よりの仕上がりになる。

オートホワイトバランスの詳細設定
「静止画撮影タブ4」→「ホワイトバランス」を選択する。

「オート」を選択し、「インフォボタン」を押す。

「オート(雰囲気優先)」と「オート(ホワイト優先)」の2種類を切り換えることができる。

「オート(雰囲気優先)」を選択して撮影。白熱電球下での雰囲気を残している。

「オート(ホワイト優先)」を選択して撮影。白熱電球下でも白色を再現できる。

雰囲気優先で温かい印象に

古風な喫茶店での1枚。上の画像は「オート(雰囲気優先)」に、下の写真は「オート(ホワイト優先)」に設定したもの。この場合は雰囲気優先で温かみを残したほうが似合うが、目的に応じて切り換えるとよい。 RF50mm F1.2 L USM・F1.2・1/64・ISO400・三宅 岳


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