ぼろフォト解決シリーズ Nikon D850 脱・初心者マニュアル
第4回

ホワイトバランス設定で場の雰囲気をより鮮やかに写すテク

Amazon Kindleを中心にレンズやカメラの情報を発信する「ぼろフォト解決シリーズ」は、『ボロい写真を解決する』ための様々なテクニックを紹介する電子書籍です。「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」では、ニコン D850の機能を使いこなしながら、絞り優先モードでうまい写真を撮るためのテクニックを解説しています。

本記事では、「カメラの性能をもっと引き出すシーン別撮影テクニック」から、ホワイトバランス設定で地明かりの色味を強調する方法についての解説を掲載します。

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「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」
Nikon D850 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR / 34mm /絞り優先AE(F7.1、1/200 秒)/ ISO 800 /露出補正:− 1.7EV / WB:晴天日陰(A:6.00、M:2.00)/ピクチャーコントロール:スタンダード(彩度:+ 1.00) 日没後にやってきた列車が橋梁を渡る。空も川面も赤く染まったようすをアンバーとマゼンタを強調して写した

ホワイトバランスの活用

STEP.1 色みの濃くなるピクチャーコントロールにする

ホワイトバランスとは、本来は光源の色(色温度)に関わらず、被写体の「白い部分を白く写す」機能だが、掲載写真のように光源の色みを強調する使い方もある。

朝晩の赤みを帯びた光をより赤く、あるいは曇り空や日の出前、日の入り後の青い光をより青くすることで、雰囲気を強調する方法だ。この光源の色みの強調を行うには、色みの濃くなるピクチャーコントロールを選ぶか、彩度を強調し露出も明るくしない(マイナス補正を行う)。そのほうがホワイトバランスの変化もより大きく見える。

STEP.2 赤みを強調するホワイトバランスを選ぶ

D850はホワイトバランスも進化している。まず、オート(AWB)(約3,500〜8,000K)には白を優先する「AUTO 0」と標準的な「AUTO 1」、そして電球色を残す「AUTO 2」が用意され、さらに自然光下での撮影に適し、従来のAUTOよりも「見た目に近い色」に仕上げる「自然光オート」(約4,500〜8,000K)が備えられている。ただし、掲載写真では光源の赤みをより強調するために、「晴天日陰」(約8,000K)を選択している。

STEP.3 ホワイトバランスはさらに微調整もできる

ホワイトバランスはさらに、個々のセットにアンバー(A)、ブルー(B)とグリーン(G)、マゼンタ(M)の色調整もできる。たとえば、夕焼け空の赤みを手軽に強めるには「晴天日陰」(約8,000K)などを選ぶと便利だが、そこからさらにアンバーやマゼンタを強めてより鮮やかな雰囲気にすることができる。試写と調整を繰り返しながら自分の好みの調整幅を見つけてほしい。

ただし、撮影終了後にこの設定をゼロに戻すことも忘れないように。そうしないと意図しない色みの変化を写真に与えかねないからだ。

夕方の雰囲気を強調する

朝夕の光は見慣れた風景をドラマチックに見せるので、筆者はこの時間帯に撮影することが好きだ。光源の色みは日中に比べると赤みを帯びていたり、あるいは青みを帯びている。そこで、その雰囲気を強調するホワイトバランスを選ぶ。赤みを強めるなら「晴天日陰」に、青みを強めるなら色温度入力で「4,000K」などを選ぶ。さらに、微調整で色みを強調し、露出アンダーめに撮るというわけだ。

まとめ

1. 色みを濃くする絵作りに
2. 赤み、もしくは青みを強めるWBに
3. さらに微調整で色みを強める

掲載写真のように朝晩の光の赤みを強めるだけではなく、星空や夜景の撮影で空を青くする場合、あるいは人物撮影時にわずかに肌色を健康的にする場合にも応用できる。


「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」

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