ぼろフォト解決シリーズ Nikon D850 脱・初心者マニュアル
第3回

静物撮影時のぶれ防止とピント精度を上げるヒント

Amazon Kindleを中心にレンズやカメラの情報を発信する「ぼろフォト解決シリーズ」は、『ボロい写真を解決する』ための様々なテクニックを紹介する電子書籍です。「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」では、ニコン D850の機能を使いこなしながら、絞り優先モードでうまい写真を撮るためのテクニックを解説しています。

本記事では、「カメラの性能をもっと引き出すシーン別撮影テクニック」から、ぶれ防止とピント精度を向上させるいくつかの機能を紹介します。

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「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」
Nikon D850 / AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED /絞り優先AE(F5.6、1/20 秒)/ ISO 64 /
WB:5,000K /ピクチャーコントロール:スタンダード(彩度:+ 1.00)/サイレントモード1 外国語の古書をマイクロニッコールで撮影した。ぶれを防ぐために「サイレントモード1」を用いている

「サイレント撮影」でぶれを防ぐ

STEP.1 完全電子シャッターの「サイレント撮影」を使う

D850に搭載されている注目すべき機能のひとつがこの「サイレント撮影」だ。前出の電子先幕シャッターとことなり、イメージセンサー上で完全に電子的にシャッター動作を行うもので、静止画ライブビュー時にのみ使用できる。すべての画素を用いる「モード1」(4,575万画素、6コマ/ 秒)とより高速連写が可能な「モード2」(864万画素、30 コマ/ 秒)を「i ボタン」から選択できる。露光時にシャッター幕を用いないので機構ぶれが生じず、無音で撮影できるところが特徴だ。

STEP.2 より細かい範囲のAF測距が可能な「ピンポイントAF」

また、D850 のライブビュー時には、従来の「ノーマルエリアAF」よりもさらに細かい範囲でAF測距が可能な「ピンポイントAF」を選ぶこともできる。

設定はボディ左側の「AFモードボタン」を押しながら、ボディ背面の「メインコマンドダイヤル」を回転させて行う。マクロレンズで近接撮影する際にとても便利だ。使用する際にはできれば最大パイプ径28mm以上のしっかりした三脚を用いて、背面モニターで拡大表示を用いることをおすすめする。

STEP.3 拡大しながらピント合わせをしよう

このライブビュー使用時に、とくにマクロ撮影や超望遠レンズでの風景撮影などに有効な「2点拡大」もあわせて用いるといい。ライブビュー撮影を行いながら「iボタン」を押して選択することができる。

再度「iボタン」を押すと「2点拡大」を終了させることができる。なお、掲載写真ではオートフォーカス(AF)で撮影しているために用いていないが、マニュアルフォーカス(MF)撮影時には、ピーキングを併用するのもいいだろう。

マクロ撮影に便利

D850には前項の電子先幕シャッターに加えて、完全に電子シャッターでの撮影を行う「サイレント撮影」が備えられている。電子先幕シャッターとはことなり、静止画ライブビュー時にのみ有効だ。機構ぶれが原理的に発生しないので、マクロ撮影などには有力な武器となるだろう。ただし、ローリングシャッターゆがみが発生する可能性はその原理上ないとはいえないので、動かない被写体に向いている。

まとめ

1. サイレント撮影を選ぶ
2. ピンポイントAF も選択できる
3. 2点拡大やピーキングを利用しよう

「サイレント撮影」ならば前項の電子先幕シャッターよりもさらに機構ぶれを防いで撮影することができる。もちろん、しっかりした三脚とぶれ対策は必須だ。


「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」

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