Amazon Kindleを中心にレンズやカメラの情報を発信する「ぼろフォト解決シリーズ」は、
『ボロい写真を解決する』ための様々なテクニックを紹介する電子書籍です。「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Nikon D850」では、ニコン D850の機能を使いこなしながら、絞り優先モードでうまい写真を撮るためのテクニックを解説しています。
本記事では、「カメラの性能をもっと引き出すシーン別撮影テクニック」から、夜景を撮影する際に画面をぶらさないための設定を紹介します。
夜間撮影でぶれを防ぐ
STEP.1 電子先幕シャッターを使う
D850には、シャッターレリーズ時に発生する可能性のある微細なぶれを低減させる「電子先幕シャッター」が備えられている。ファインダー撮影でも使用可能でD810にもあった機能だが、D850 ではレリーズモードを「M-up(ミラーアップ)」だけではなく、静音モード「Q」および「静音連写モード(Qc)」時にも選択できるようになった。用いるにはまずレリーズモードを変更してから、「カスタムメニュー:d6」の「電子先幕シャッター」を「有効」にする。
なお、撮影時には三脚を使用するのが前提だ。
STEP.2 露出ディレーモードでさらにぶれを防ぐ
しっかりとした三脚を使用して、レリーズモードをミラーアップなどにして電子先幕シャッターを選んでも、シャッターボタンを押す動作でカメラぶれを起こしてしまうのは惜しい。そこで、厳密なレリーズのタイミングが必要ではない場合には、筆者は「露出ディレーモード」を設定する。
レリーズ後しばらくしてからシャッター幕が動くようになる機能だ。筆者はもっぱら「3秒」を用いる。「カスタムメニュー:d5」の「露出ディレーモード」から使用したいものを選ぼう。
STEP.3 三脚使用時でもVRはオンにする
手ぶれ補正機構(VR)のあるレンズで三脚を使用する場合には、まずそのレンズの説明書を確認してほしい。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR の場合は手ぶれ補正機構は「NORMAL」ポジションでの使用が推奨されているので、掲載写真の撮影時にもそのまま三脚に載せて撮影をしている。
できれば、使用するレンズで事前に試写をして手ぶれ補正機構をオンにした状態で撮影できるか確かめてほしい。
ぶれ対策を考える
有効4,575万画素のD850は、ぶれに対してとてもセンシティブなカメラだといっていい。わずかなぶれでもその高画質をいかすことができない。スローシャッターで撮影する際には、なおのこと注意したい。
そこで、機構ぶれを低減させる「電子先幕シャッター」と、レリーズぶれを低減させる「露出ディレーモード」を組み合わせよう。レンズの手ぶれ補正機構(VR)ももちろん使用してほしい。
まとめ
1. 電子先幕シャッターを選ぶ
2. 露出ディレーモードも使う
3. 手ぶれ補正機構も「オン」にする
ぶれを防ぐためにはさらに、別売リモコンやリモートケーブル、あるいはスマホアプリなども併用して、レリーズ時にぶらさないように心がけてほしい。