私たちがネットショッピングをするとき、購入の決め手になる要素のひとつが「写真」です。商品の詳細や使用イメージなど、想像していた通りの商品かどうかをある程度知りたいときは、百の言葉よりも一枚の写真の方が説得力を持つこともあるでしょう。
「ネットショップ初心者でも売れる商品写真の基礎知識とつくり方」では、ECショップにおいて効果的な写真の性質や撮影時の留意点をカテゴリごとに紹介。商品撮影をカメラマンに依頼する際のディレクションについても触れつつ、SNS戦略、カートシステムにいたるまで、ECショップ内の画像にまつわるあらゆるテーマを網羅し解説しています。
本記事ではChapter6「SNSを活用する」より、ECサイトにおけるInstagramの活用方法について解説します。
Instagramの活用方法
今も基本は変わりませんが、Facebook(現在の社名はMeta)に買収されてから機能の拡充が続き、「写真のSNS」だけでは収まらないツールとして発展してきました。この流れの中で、広告の配信やECサイトとの連携など、ビジネスでの利用にも力を入れています。
単純な「写真のSNS」ではなくなった今、ひとつひとつの写真(投稿)も大事ですが、より重要なのはアカウント全体の運用です。写真とはあまり関係ないトピックも多くなってしまいますが、本ページでは最低限押さえておきたいアカウントの運用方法を解説します。
まずは戦うフィールドを知る
もちろん「いい写真」も大事なのですが、趣味の写真アカウントでなければ、「いい写真」にこだわる必要はありません。かわりに「どのフィールドで戦うのか?」という認識を持つべきです。
まず、押さえておきたいのは「発見タブ」(画面下の「虫メガネ」アイコン)です。ここをタップして表示される画面はあなたへのオススメの投稿です。パーソナライズされているので、あなたが「いいね」した投稿やフォローしているアカウントにもとづいた「オススメ」が表示されます。
パーソナライズされているので人によって表示は異なるのですが、この画面をまずはパッと見てください。さて、そこで目にとまった投稿はありますか?あなたが気になった投稿こそが、あなたが目指すべき投稿になります。
要は、たくさんある世界中の写真や動画から、瞬間的に目にとまるかが重要になります。「発見」という名の通り、いかに発見してもらうかがテーマです。
この視点でどのような投稿がいいか考えてみてください。当然見ている人によって表示は変わるので、ターゲットユーザーのオススメ画面を想定して検討しましょう。
プロフィール画面は世界観を統一する
「プロフィール」画面には文字通りプロフィールのほか、過去の投稿が一覧で表示されます。この投稿一覧を見たときに、統一感がないとショップやブランドの世界観が伝わらなくなってしまいます。
アカウントに興味を持ってくれた人は高い確率でプロフィール画面を見ます。そこで、統一感のない投稿がならんでいると、どういうお店か伝わらなくなり興味を失ってしまいます。
そのため写真や画像を用意する際は、プロフィール画面一覧のなかで違和感が出ないように意識してください。同じようなフィルターを使うなど、色味や雰囲気をそろえることが大事です。
ショップに関係のない投稿は極力避ける
運良く自身のアカウントがフォローされたとします。ショップなどビジネスアカウントの場合、フォロワーはそのショップに興味があったからフォローしたはずです。
それとは関係ない投稿が多いと、有益な情報が得られないと思われてしまい、「いいね」やコメントがされなくなり、フォローを外されることもあります。
フォローを外されないにしても、そもそもInstagramのアルゴリズムでは、「いいね」など、積極的にやり取りのないアカウントの投稿はあまり表示されなくなってしまいます。
個人的な写真やショップと関係ない写真の投稿はほどほどにしておきましょう。
フォロワーは「あなた」自身ではなくお店の情報やコンテンツをフォローしていると思ってください。
ちなみに私が管理しているショップでは、期間限定の広告用投稿やプレゼントキャンペーン用の投稿をすることがあります。このように普段と違う投稿をした場合は、期間終了後にその投稿は削除しています。これによりプロフィール画面の統一感を保っています。
そもそも期間が限定されているものを残しておくと、見ている人がキャンペーン中だと勘違いすることもあるので、削除することも選択肢に入れておきましょう。