私たちがネットショッピングをするとき、購入の決め手になる要素のひとつが「写真」です。商品の詳細や使用イメージなど、想像していた通りの商品かどうかをある程度知りたいときは、百の言葉よりも一枚の写真の方が説得力を持つこともあるでしょう。
「ネットショップ初心者でも売れる商品写真の基礎知識とつくり方」では、ECショップにおいて効果的な写真の性質や撮影時の留意点をカテゴリごとに紹介。商品撮影をカメラマンに依頼する際のディレクションについても触れつつ、SNS戦略、カートシステムにいたるまで、ECショップ内の画像にまつわるあらゆるテーマを網羅し解説しています。
本記事ではChapter6「SNSを活用する」より、ECショップがSNSを活用するメリットについて説明します。
⼩規模ECがSNSを利用するメリット
SNSはECと相性のいいメディア
インターネット利用者のうち、SNSの利用状況は全体で約78.7%、20代にいたっては93.2%を超える方がSNSを利用しています。
利用の仕方も、知人との交流だけではなく、行きたいお店や欲しい商品を探したり、好きなブランドをフォローしたり、情報収集目的での利用も活発です。SNSは個人で発信することもできるので、魅力的なコンテンツを発信している人のなかには、万単位のフォロワーを有する人もいて(いわゆるインフルエンサー)、その影響力は絶大です。
たとえ、ECサイト運営者のSNSでフォロワーが少なくても、インフルエンサーに投稿が拡散されれば、一瞬にして多くの方の目に届くことになります。
集客やファン形成にもつながる
ECサイトはリアル店舗と違い、直接会って接客することはできません。そのためサイトの写真やコンテンツを充実させる必要があることは、これまでも述べてきたとおりです。とはいえ、ECサイトでの発信は、どちらかというと一方的な発信になりがちです。
その点SNSは、心理的ハードルの低いメディアで、見込み客に対してより直接的なコミュニケーションをとることができます。
つまり、ECサイトを知らない、訪れたことがない人にもアピールでき、集客につながるのです。
さらに、SNSを通して親しみを持ったコミュニケーションを継続すれば、お店のファンになってもらうこともできます。
顧客の投稿に「いいね」やコメントをしたり、ショップの投稿へのコメントにはしっかりと返事をしたり、地道な運用をまずは心がけてください。
私が管理しているECサイトでは、顧客とのやり取りもSNSのメッセージ機能で行なうことがあります。顧客からすれば、SNSを見て即問い合わせができ、サイトの問い合わせフォームやメールを送るわずらわしさがないぶん、ハードルが低いようです。
運営側からすると、問い合わせの窓口が増えるのは手間がかかる面もありますが、顧客の不安や疑問を解消することができれば、ショップの信頼につながります。
このように、投稿だけをする、といった一方的な使い方ではなく、しっかりとコミュニケーションすることで、ファン化する確率は上がるでしょう。
そして、ファン化した顧客は、リピート購入が期待できますし、他の方への拡散も期待できます。
また、ECサイト運営者にとってSNS利用のメリットは、なんといってもお金がかからないことです。いくら利用しても無料ですし、SNS上での広告機能も安価で利用することができます。
ECサイトと相性のいいSNS
SNSにはそれぞれ特徴がありますが、やはり押さえておきたいのはInstagramでしょう。
Instagramは、「興味・関心・共感のSNS」といわれており、他のSNSに比べて、ファンをつくりやすい特徴を持っています。
逆の言い方をすれば、共感を呼ぶような投稿をしていくことで、ショップのファンになってもらえる可能性が高まります。
ただし、現状では「シェア」(Twitterでいうところの「リツイート」)の機能がなく、情報の拡散力が弱いので、いわゆる「バズる」といったことは期待しづらい面もあります。じっくりとファンを増やして、じわじわと広げていくといったスタイルがあっています。
このあたりは「SNSの使い方」の話になってしまうので割愛しますが、「共感を生む→ファンになってもらう→ファンから拡散していく」といった流れができれば、強力な営業ツールになります。
仮に拡散しなくてもファン=リピーターでもあるので、ショップの売上に貢献してもらえます。
SNSから直接購入してもらう
Instagramには「ショッピング機能」があります。ECサイトとInstagramを連携することで、Instagram内で商品一覧を作成したり、投稿に載せた写真から直接商品ページに誘導したりすることもできます。写真がメインのSNSですから、この点からもECサイトと親和性が高いといえるでしょう。