カメラを買い、それなりの期間撮影をしていても、特別に機会を作らないと縁遠いままになりがちな撮影ジャンルのひとつが、ポートレートです。相手が必要なこともあり、本格的に始めようと思えば何かと手間暇かかることもあるでしょう。
「ポートレートを始めよう!モデル撮影はじめてBOOK」では、ポートレート撮影に主軸を置いたイベントである「撮影会」について詳細に解説。著者は自身でも撮影会を主催しているプロフォトグラファーの河野英喜さん。実際にいくつかの撮影会へ参加し、撮影会の種類や準備する内容、参加時の注意点などを作例とともに紹介しています。
本記事ではPart1「撮影会ってどんなもの?」より、撮影会でおすすめの機材について解説します。
撮影会で使いたいカメラとレンズ
撮影会に参加するのに、まず必要なのはカメラです。カメラはみなさん好みがあるのでそれぞれ選べばよいと思いますが、機能的に必要なのは「レンズ交換式であること」ということです。レンズ交換式なら、焦点距離を変えてさまざまな写真を撮ることができます。
コンパクトカメラでも焦点距離を変えられますが、ボケをコントロールしてより思ったような作品にすることを考えると、レンズ交換式のカメラがおすすめです。レンズは少しずつでよいので揃えていくと作品の幅が広がるでしょう。
どんなカメラとレンズが必要?
レンズ交換式のカメラ(いわゆる一眼レフやミラーレス)の交換レンズは、ズームレンズやコンパクトカメラの内蔵レンズに比べ開放F値が明るいものが多いので、より大きなボケが得られるなどの利点があります。スマートフォンでの撮影を許可している撮影会もありますが、やはりレンズ交換式のカメラを揃えたいところです。
例えばこの写真のようにモデルの近くに寄れない撮影会なら、ズームレンズは必須。また、古民家スタジオなど、暗いシチュエーションでは開放F値が明るいレンズが有利など、レンズは撮影会の種類によって使い分けるとよいでしょう。
Kono’s Advice:撮影方法を確認してレンズを選ぼう
「どんな写真を撮りたいか」ということと「撮影会の種類」とで、持っていくレンズを決めましょう。
STEP1:まずはこの2本を揃えよう
24-70mmズームレンズ
70mmなので最大ズームにしてもそれほどボケは大きくありませんが、さまざまなシチュエーションで使いやすく、非常に実用的なレンズです。
50mm単焦点レンズ
明るく、ボケもきれいなレンズが多いでしょう。比較的安価な価格帯のものも多いです。24-70mmズームレンズでは出しにくい、きれいなボケを出せます。
STEP2:追加するなら、この2本
70-200mmズームレンズ
バストアップや画面いっぱいのアップが撮りやすく、ポートレート撮影の醍醐味を感じられるレンズです。モデルに寄れない撮影の場合も対応しやすいでしょう。
35mm単焦点レンズ
ボケにくい性質はありますが、広角の中ではボケも期待できるレンズです。レンズも明るめなものが多いでしょう。
STEP3:ここまで揃えると、バリエーションが広がる
85mm単焦点レンズ
中望遠域の大きなボケを手に入れることができるレンズです。焦点距離だけでいえば70-200mmズームレンズでカバーできますが、単焦点レンズなので開放F値が明るく、圧倒的にボケやすくなります。自分のイメージに合わせて、どこまでボカすか、どこまではっきり写すかをコントロールしやすいレンズです。