カッコいいスナップ写真の撮り方
第4回

アイコニックなシンボルをよりカッコよく撮る方法

今や誰もがカメラを手にして、日々の記録を写真として残す時代になりました。スナップ写真と呼ばれるジャンルは、目の前の景色、日常を残すという意味では、私たちが最も親しんでいるジャンルかもしれません。

カッコいいスナップ写真の撮り方」では、日頃私たちが撮っているスナップ写真をよりカッコいい作品へと高めていくための秘訣を伝授。著者の野寺治孝さんによれば、「カッコいいスナップ写真」とは「独自の視点」「写真的感性」「空気感の表現」「個性的に撮る」という4つのポイントを押さえた写真としています。自分なりの工夫や視点を持ち、機材やテクニックに頼らず、それでいて場の空気をしっかり捉えることであり、本書ではそれを実践するための考え方について、様々な作例を使って説明します。

本記事ではChapter2「人物1」より、スマイルマークの前に立つ少年の写真を例とした撮り方、考え方について抜粋して解説します。

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

カッコいいスナップ写真の撮り方

人物

街をスナップしていると、どうしても声かけして撮りたくなる人と出会うことがあります。最初はなかなか勇気が出ず躊躇してしまいます。 ダメ元で 「すみませんが一枚撮らせていただけませんか?」 とお願いしてみましょう。 結果は時の運に任せて。OKならば、相手の負担にならないように短時間で撮ろう。撮る前に背景ゃ画角、露出を決めておくと早く撮れます。余裕があれば目線をカメラから外してもらったりして自然な感じも撮っておくといいでしょう。 撮影後には御礼を忘れずに。

スマイルマークと少年

背景の壁を活かしたポートレート。

DATA
東京・新宿区・高田馬場/午後9時頃
35mmフィルム・コンパクトカメラ
38mm F2.8
1/60秒 F5.6 オート -2/3補正 ISO100 スト口ボ使用

撮り方&仕上げ方
ピントは少年の顔に合わせる。 背景のスマイルマークを活かした絵作りをする。レタッチでは壁の色よりも少年の顔色を最侵先する。その上で壁の黄色がイメージ通りになるように調整する。彩度は上げるが、色濃くなりすぎないように注意をする。コントラストはやや強くする。

NOTE
このスマイルマークを見た瞬問に、当時坊主頭だった息子をこの前で撮ろうと思った。息子にはスマイルマークと同じように笑う指示をしたが、反抗期でこのような顔になってしまった。面白い壁や看板を撮る時には人や動物など、何かを加えるとカッコよくなると思う。


カッコいいスナップ写真の撮り方

著者プロフィール

野寺治孝

野寺治孝(のでら はるたか)
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。

ウェブサイト:http://www.nodera.jp/
Twitter:@noderaharutaka
Instagram:@harutaka1958nodera
Facebook:harutaka.nodera

<主な著書>

『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』
『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』

 

カッコいいスナップ写真の撮り方
「カッコいいスナップ写真の撮り方

関連記事