交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ニコンFマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からニコンFマウント用レンズ174本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II」のレビューを抜粋して紹介します。
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各社凌ぎを削る激戦区。至高と呼ぶに相応しい写り
70-200mm、F2.8通しのレンズには憧れたものです。テレ端までズームすれば、まさに望遠の世界のそれ。F2.8ということもあり明るいファインダーの中で美しいぼけが広がり、覗いてるだけでも楽しいものです。
ポートレートズームと呼ばれることの多いタイプのレンズですが、ワイド端でバストアップから佇む引きの画まで、そこからぐっとズーミング、横顔の眼差しだけをテレ側で切り取ったり。このあたりがポートレートで重宝する理由でしょう。
もちろんこの焦点域はポートレートだけでなく、風景撮影でも多用します。風景撮影では超広角~準広角あたりが主役を張りそうなイメージもありますが、実は使用頻度はさほど高くありません。むしろこのレンズのような焦点域を多用するのではないでしょうか。
ワイド端が70mmまで広がってからの2世代目が本レンズとなりますが、ヌケ・キレ・ぼけ味と文句のつけようのないレンズに。絞り開放から大変シャープに像を結び、絞り値をあまり問わない印象です。ニコンのレンズラインナップの中で外せないレンズの1本ではないでしょうか。(K)