写真にハマっているアマチュアにとっては、「テーマはどんなものにすればよいか?」「撮影方法はどうすればよいか?」「上手に写真を撮るためには?」など、本気になればなるほど、堅く考えてしまうものです。そんな人達に写真家の丹野清志氏は、著書「ニッポンぶらりカメラ旅」の中で、肩ひじはらずにカメラを持ってふらっと旅をして、思いつくままに写真を撮ることを勧めています。「町から町へ、なりゆきまかせで移動していくと、いろいろな出会いがあり、出会いの一つ一つに心がふるえるのです。」と言います。
そんな心をふるわせる被写体に出会える旅はどうしたらできるのでしょうか?
本記事では、第1章「ぶらりカメラ旅入門」からカメラについてのアドバイスをご紹介します。
旅の仕方でカメラが決まる
旅の仕方は人それぞれ違うのですから、好きなカメラを使えばいいのですよということになるわけですが、それじゃあミもフタもない。で、私流で選んでみたいと思います。
ぶらりカメラ旅では、気軽に使えるカメラであることが第一条件ですから、まずおすすめはコンパクトカメラ。お気軽カメラとあなどるなかれ、「コンデジ」は、マクロ撮影からズームで望遠撮影まで自由自在に活用できるまさに万能旅カメラです。
コンパクトカメラのよさは、撮るぞと身構えることなくぶらりぶらり歩くリズムに乗って軽いフットワークで撮り歩くことができるところにあります。しかしコンパクトカメラは記念写真用メモカメラという印象が強く、ちょいと作品狙いという人には抵抗があるようです。コンパクトカメラにも高級ハイエンドカメラもありますよと言っても、デジカメならコンデジはコンデジ、やはり一般には一眼レフがランク上ということになるのですね。
コンデジに続いて登場したのが、一眼レフからミラー装置を外したしくみの小型軽量ボディで高画質のミラーレス一眼カメラで、いまでは一般的デジタルカメラの主流になりつつあります。
で、私流ぶらりカメラ旅向きのカメラは新コンパクトカメラのミラーレスカメラがイチオシとなるのかなと思います。が、重厚なカメラでしっかり構えて撮り歩きたいという人も当然いて、フィルムカメラの旅を続ける人もいます。結局旅のベストカメラとは、カメラ旅をする人の写真の目的と旅歩きのリズムに合うカメラということになります。
<玄光社の本>