ブランデッドムービーが求められる理由
米 国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(以下SSFF&ASIA)。同映画祭に2016年に新設された「BRANDED SHORTS」が、2019年のエントリー受付を開始している。
10月5日に東京都写真美術館で開催された「BRANDED SHORTS 2018 秋の特別セミナー」では、「映画と広告の理想形」と題し、高崎卓馬氏(電通)と、数多くの日本アカデミー賞を受賞している映画プロデューサー石田雄治氏が対談。広告でも映画でもできないことができる場、ジャンルを超えて人が行き交い、才能がぶつかり合う場として映画×広告の化学反応がひきおこす可能性を語りあった。
では、SSFF&ASIAが考えるブランデッド ムービーとは何か。同映画祭の代表・別所哲也と共にブランデッドムービーの企画・プロデュースを手掛ける諏訪慶氏に話を聞いた。
――今、ブランデッド ムービーに注目が集まっている理由はどこにあるのでしょう?
「これまでの商品を訴求するだけのCMでは、なかなか購買までたどりつけない。ブランディングが必要な時代なんです。機能や価格の前に、企業哲学をブランデッド ムービーで伝えて、ファンになってくれたユーザーとの間にエンゲージメントが生まれ、そこからマーケティング。こういう順番だということです」。
――映像クリエイターにとってのブランデッドムービーとは?
「一言でいって、映画と広告のハイブリッド。これまでのような長編映画へのきっかけという位置づけではなく、CMやMV、映画と並ぶジャンルとして、若い才能が自己実現できる場になっていくと考えています。
SSFF&ASIAは、人を描けてストーリーを紡ぎ出せているブランデッドムービーを求めています。映画か広告かという固定概念ではなく、本当にいいものを作りたいというクリエイターには、ぜひブランデッドムービーに挑戦してほしいと思います」。