ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター
第2回

ポートレート写真に欠かせない「キャッチライト」ライトの形でがらりと変わる顔の印象

ポートレート写真を撮影するにあたり、光をコントロールする技術は習得しておいて損はありません。その場の光を操作する撮影機材や用品はいくつもありますが、中でも「レフ板」は、持ち運びやすさや汎用性、入手性の高さで人気の高い撮影用品です。

ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター」では、様々なレベルに対応したレフ板の使い方を網羅。レフ板の種類や基礎的な使い方を紹介する「基本編」、スポット光や反射光、複数枚の運用法を教える「応用編」、様々なシーンでの実例をもとに具体的な使い方を伝える「実践編」からなり、あらゆるシーンで使えるレフ板のテクニックを実践的に学ぶことができる一冊となっています。

本記事では「応用編」より、ポートレート写真に欠かせない「キャッチライト」の入れ方をコントロールする方法を紹介します。

ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター

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丸レフの白で柔和な可愛らしさを

可愛らしく柔和な雰囲気で、優しく見つめているイメージを元に、丸レフの白をチョイスした。キャッチライトが大きく入るようにレフ板はできるだけ人物に近づけたく、人物自身に手元でレフ板を支えてもらっている。

ソニーα7RⅢ Carl Zeiss Sonnar FE55mm F1.8 ZA 絞り優先オート F1.8 1/320秒 +1EV補正 ISO100 WB:太陽光 仕上がり設定:ナチュラル 80cm丸レフ(白)モデル:品田セシル

丸レフは柔らかく角レフはシャープな印象

明るくしたいところに光を当てるのがレフ板の大きな役割だが、ポートレート撮影においては「キャッチライトを入れるアイテム」という役割もある。キャッチライトは写真の印象を左右する瞳の表現として大切なもの。「目は口ほどに物を言う」と言われるほどなので、瞳の表現に大きな影響を与えるキャッチライトをしっかり把握しておこう。

キャッチライトは瞳に反射物が映り込んだものだ。だから当然反射物の形が映り込む。そして、その形によって写真の印象が異なってくることも多い。丸レフは柔らかく可愛らしい印象に、角レフはシャープな印象を与えやすい。

また、キャッチライトの大きさによっても効果は変わる。大きければ瞳の表面を占める割合が大きくなるので、瞳が輝いて見えることが多い。キャッチライトを大きく映し込むには、レフ板を人物に近づける、大きな(面積の広い)レフ板を使う、などで可能だ。

アップのカットや、瞳にウェイトをおいた撮影をするときは、雰囲気に合わせてレフ板を選択し、イメージに合うキャッチライトの形を利用するとよいだろう。

キャッチライトの印象をレフ板の形でアレンジ

使用するレフ板

  • 80cm 丸レフ(白・銀)
  • 80cm 角レフ(白)

丸レフ(白)

丸レフの白でキャッチライトを作ると、レフ板の形どおりの丸みのある優しい印象になる。

丸レフ(銀)

丸レフの銀でキャッチライトを入れると、眼差しそのものにまぶしさを感じる印象に。クールな雰囲気に向いている。

角レフ(白)

角レフの白では、同じ白でも丸レフに比べシャープな印象に。知性を感じさせるイメージには角でのキャッチライトが似合う。

キャッチライトなし


ポートレート撮影 レフ板ライティング完全マスター

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