かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、スマートフォンで写真を撮るのが当たり前になった近年においても、カメラ好き、写真好きの人々から「オールドレンズ」と呼ばれ親しまれています。オールドレンズは「マウントアダプター」と呼ばれるパーツを用いることで現行のカメラに装着することができますが、これまでに発売された膨大な数の交換レンズの中から、自分好みのレンズを見つけるのも、オールドレンズ遊びの楽しみの一つです。
「オールドレンズ・ライフ 2018-2019」においては、数あるオールドレンズの中でも性能面で個性が際立つ「中望遠オールドレンズ」を特集。正統派レンズからクセ玉まで、バラエティ豊かなキャラクターのレンズたちを作例とともに紹介しています。本記事では、「MC Pancolar 80mm F1.8」の作例と解説を抜粋して掲載します。
撮るものすべて濃厚に写る Carl Zeiss Jena「MC Pancolar 80mm F1.8」
中望遠レンズはポートレートで使われることが多いが、このMCパンカラー80mm F1.8は日常的なスナップで使ってほしいレンズだ。開放F1.8と控えめなスペックが功を奏し、小型軽量で常用レンズとして扱いやすい。大口径標準レンズと大差ないサイズ感だ。
加えて、描写が日常的なスナップに向いている。開放からコントラストと色ノリが強く、かなりこってりとしている。開放はやや滲むが、シャドウの締まりが良く、軟調という印象はない。被写体を格好良く捉えることに関し、MCパンカラー80mm F1.8は期待通りの絵を描いてくれるだろう。
一方、ボケはかなり滑らかで、花などを接写するととても雰囲気が良い。単にソフトに花を捉えるのではなく、色濃く存在感たっぷりに写る。MCパンカラー80mm F1.8は、日常的な被写体を濃厚に、そして美しく捉えてくれる。
character notes
描写力:★★★★
ク セ:★★★
機動性:★★★★
コスパ:★★
こってりと濃厚な描き方だが、暴れるようなクセはない。ハンドリングしやすい個性派だ。