オールドレンズ・ライフ
第13回

柔らかなボケ味と高解像を両立する中判レンズ Sekor C 80mm F1.9

かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、スマートフォンで写真を撮るのが当たり前になった近年においても、カメラ好き、写真好きの人々から「オールドレンズ」と呼ばれ親しまれています。オールドレンズは「マウントアダプター」と呼ばれるパーツを用いることで現行のカメラに装着することができますが、これまでに発売された膨大な数の交換レンズの中から、自分好みのレンズを見つけるのも、オールドレンズ遊びの楽しみの一つです。

オールドレンズ・ライフ 2018-2019」においては、数あるオールドレンズの中でも性能面で個性が際立つ「中望遠オールドレンズ」を特集。正統派レンズからクセ玉まで、バラエティ豊かなキャラクターのレンズたちを作例とともに紹介しています。本記事では、「Sekor C 80mm F1.9」の作例と解説を抜粋して掲載します。

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中判レンズがポートレートレンズに化ける Mamiya「Sekor C 80mm F1.9」

α7III + Sekor C 80mm F1.9 絞り優先AE F2.8 1/640秒 - 1.3EV ISO100 AWB RAW 左下のコスモスにピントを合わせる。周辺部分は、流れなく結像している。1段絞っただけでかなり先鋭感のある描き方だ。

ここで取り上げるセコールC80mm F1.9は、中判カメラの標準レンズだ。1975年、6×4.5センチ判一眼レフのマミヤ「M645」が登場した。このマミヤ645シリーズ向けのレンズだ。中判カメラにとって80mmレンズは標準画角。ただし、これを35mm判カメラに付けると中望遠相当となる。ここがポイントだ。

中判の標準レンズは開放F2.8のものが多い。有名なハッセルブラッドのプラナーも、80mm F2.8だ。その点、本レンズは開放F1.9と一段明るく、これがあえて中望遠レンズとして使いたいポイントなのだ。スペック的にちょっとがんばっているため、開放は被写界深度が浅くて柔らかい。この描写が女性ポートレートで役立ってくれるだろう。反面、中判用でイメージサークルが大きいから、周辺部分でもしっかりと解像する。開放撮影でも構図の自由が確保されているわけだ。ダークホース的な存在として注目しておきたい。

Sekor C 80 mm F1.9 中古価格:25,000~40,000円 Mamiya Mamiya 645 mount 1975年に登場したマミヤ645シリーズの標準レンズ。6群7枚構成で、最短撮影距離は0.7メートルだ。中判の標準レンズとしては明るい。

character notes

描写力:★★★★
ク セ:★★
機動性:★★★
コスパ:★★★★

中判標準レンズでF1.9は明るい。これならフルサイズ機でポートレートレンズとして使える。

MYA645-EOS 税別価格:33,000円 マミヤ645マウントレンズをキヤノンEFマウントに変換する。ここでは別途EOS-SEマウントアダプターを追加し、α7IIIで撮影した。

オールドレンズ・ライフ 2018-2019

著者プロフィール

澤村 徹


(さわむら・てつ)
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

書籍(玄光社):
オールドレンズ・ベストセレクション
オールドレンズ・ライフ 2017-2018
マウントアダプター解体新書
作品づくりが上達するRAW現像読本

ウェブサイト:Tetsu Sawamura official site
Twitter:@tetsu_sawamura


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