mitch ikeda photography exhibition rocks3
「吉井和哉写真展 みつめあう2人」
会期:2018年10月19日〜24日
時間:11:00〜19:00(最終日15:00)
会場:オリンパスギャラリー東京
25年前に一目惚れして撮り続けた吉井和哉の“プライベートフォト”
主に音楽のフィールドで活躍しているMitch Ikedaさんは、ロックをテーマにした写真展”mitch ikeda photography exhibition「rocks」”を、昨年から今年にかけて連続して開催しており、10月19日からオリンパスギャラリー東京で始まる「吉井和哉写真展 みつめあう2人」は、その第3弾となる。約10ヵ月おきというハイペースで、精力的に写真展を開催するMitch Ikedaさんに話を聞いた。
──「rocks」シリーズの写真展は何かきっかけがあったのでしょうか。
Mitch ロックの写真は1980年代から撮り続けていますが、初めての個展は2002年にロンドンで開催したManic Street Preachersというバンドの写真展です。2014年にはロンドン、マンチェスター、東京の3都市で開かれたOasisの写真展に参加しましたが、これには10人くらいの写真家が参加していました。
どちらも自分で企画したものではなく、それぞれ写真集の出版社やレコード会社が開いたもので、だから僕はずっと長い間、写真展というものは自分以外の誰かが企画してくれるものだと思っていました。
ところが、2015年に日本広告写真家協会(APA)に入会してみたら、先輩や同期の人たちは「これからは写真家も自分から発信する時代だ」と、積極的に個展を開いたりコンペに応募するような人ばかりだったんです。
それまで自分は、もちろん写真の仕事はしていましたが、プロとしての自覚はあまりなくて、大好きな音楽の世界で遊ばせてもらっているアマチュアみたいな気分でいたんです。だからAPAに入会したときに「これでやっとプロになったんだ」と思って、ガラッと意識が変わりました。
「rocks」は今回で3回目ですが、実は、自分の中では9回分の企画が出来上がっていて、全て開催するつもりです。
──今回の第3弾は、ミュージシャンの吉井和哉さんが主役ですね。
Mitch 1993年にTHE YELLOW MONKEYと出会ってバンドに一目惚れして、それから25年ずっと吉井和哉を追いかけています。今年はちょうど彼のソロデビュー15周年ということもあって、25年分の写真を1冊にまとめて、「みつめあう2人」という60cm×45cmの超大型写真集を出版するのですが、写真展もそれと連動する展示になります。
写真集のために昔の写真を掘り起こしていたら、自分でも撮った覚えのない写真がたくさん出てきて、過去の自分に出会ったような気がしました。今回そういう写真も何点か展示しますが、撮った時の記憶がなくても、写真はこうやって残っていくんだなと感慨深いものがあります。
25年分の写真を見直してみると、レンズやファインダー越しに吉井和哉と僕とで、いろんなことをキャッチボールしていたなと感じます。いわばこれは、吉井和哉と僕の“プライベートフォト”ですね。
──写真展で特に見てほしいところは、どんなところでしょう。
Mitch 撮影して3ヵ月以内のネガを使用し、余白は広くとって、アーカイバル処理を施す…といったオリジナルリントの基本を学生時代に学びましたが、「rocks」でやっているのは、いわばモダンプリント。しかも銀塩ではなくデジタルです。
それでも昔、オリジナルプリントを一生懸命焼いていた頃の気持ちを忘れずに、展示用のプリントに取り組んでいるので、会場ではプリントならではの写真の魅力をぜひ楽しんでもらいたいですね。
Mitch Ikeda(ミッチ・イケダ)
東京写真大学にて細江英公氏の下で写真を学び、1985年に初渡英。2001年まで英国を拠点としながら、国内外で数多くのミュージシャンを撮影。1993年THE YELLOW MONKEYと出会い、2000年にTHE YELLOW MONKEY写真集「SYN」を発表。2017年には写真展「偉大なる復活 the yellow monkey」を開催。
ブログ:Mitch Ikeda Photography