親子デザイン工房
第6回

抽象的なデザインに手を加えて具体的な機能を表現する

子どもたちは、彼らにしかない感性で世界を見ています。その想像力と感性は、時として絵や造形などの形で表現され、大人たちの想像を超えた輝きを放つものです。

イラストレーター、デザイナー、美術監督として知られ、二児の父でもあるロマン・トマさんは、二人の愛息が描いた絵に刺激を受けて、自らの持つ技術を使い、彼らが表現した作品の再解釈を試みました。

親子デザイン工房」は、ロマン・トマさんと二人の息子、竜之介さんと樹さんの手によって生み出されたイラストレーションをまとめた共著です。本書では、11歳の竜之介さんと9歳の樹さんが発想し、形にしたイラストを、ロマン・トマさんがプロのクリエイターとしてより完成したイメージへと”翻訳”するまでの流れを、イラストレーションとコメントの両面から楽しむことができます。

本記事では、またもや樹さんの敵役と竜之介さんのキャラクターが対決する、「クーモ」とはまた違った世界観のパターンを紹介します。

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親子デザイン工房

 

フロストアイ

左:竜之介/右:トマ

トマ

私は「ジャスティス」がとても気に入って、またすぐに彼女を描きたくなりました。そこで、ロボットと対決する絵を描くことにしました。樹のデザインは、非常に抽象的な形と多色使いのため、解釈するのに少し手こずりました。しかしこの斬新な選択によって、結果的にキャラクターがより独創的なデザインになったので、よい選択だったといえるでしょう。手を加えたところは下腹部のボールで、折りたたみ可能な機械脚にし、黄色をより冷たい印象の緑色に変えました。このロボットは氷属性の攻撃をするので、雰囲気的に絵が青っぽくなるようにしました。

この絵を描いたときはたいしてなにも思い浮かばなかったので、とりあえずシンプルで規則的な形のダイヤから始めました。そこに巨大な目、腕を付け加えました。だけどまだ少し物足りなかったので、とんがり帽子をかぶせて、下にボールを置いて完成にしました。このロボットは氷属性の攻撃ができます。お父さんの絵にある凍った建物からそれがわかります。

 


<玄光社の本>

親子デザイン工房

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