「Ultimate Lighting Works 美しいポートレートを撮るための光の魔法」は、ファンタジックかつ絵画的な作風で人気のHASEO氏によるライティング技術の指南書です。
ライティングに特化した100点以上の作品をモデルケースとして、モデル位置と光源の灯数、光源から被写体までの距離、光源の向き、各機材の位置、使用機材、撮影設定にいたるまで、作品作りにおいてイメージ通りの光を作り出すためのノウハウを惜しみなく解説しており、特にモデルを起用した撮影に向けた「創作のためのライティング」を学べます。
本記事では「第3章 作品別ライティング技法紹介 モデル一人撮影・屋内編」より、大光量ストロボ2灯と自然光を組み合わせたライティングコントロールの一例を紹介します。
画面右奥の窓から射す日差しをメイン光源にした作品。日中の比較的明るい太陽光を背にしているので、顔の部分が真っ暗になってしまう。モデルの右手前に設置したプロフォトB1の天井バウンスの光だけでは自然に影を起こすことができなかった。そこで、直接モデルを照らすプロフォトB1をもう1灯加えることで、背景の明るさに負けない光を得ることができた。自然なライティングにするために、モデルを照らすB1にはソフトボックスを使用し、1/32と弱めに発光している。こうしたシーンでは、光量を細かくコントロールできるモノブロックを使用した方がよい。
ここでは直接漏れる光もライティングに活用できると判断したため、バウンス用のB1にはアクセサリーは使用していない。モデルの背後にスモークによって光が進む方向が見えるようになるので、それを参考に状況に応じて天井バウンスを調整している。
A
プロフォトB1
アクセサリー:ソフトボックス
出力:1/32
アングル:モデルの顔に向ける
高さ:1.8m
B
プロフォトB1
出力:1/4
アングル:垂直方向上向き
高さ:1.9m
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