「しずく作品集&撮影テクニック」(浅井美紀・著)では、水滴の中に別の被写体を映し込むための様々な技術を紹介していますが、写真作品としての完成度を向上させる工夫も併せて掲載しています。
本記事では、PART2「しずく作品を作る8つの演出」より、「パソコンモニターを使う」方法を紹介します。
パソコンモニターに自分の作品を映し、手前に水を張った黒いお盆をセットし、モニターの画面を水面に映り込ませて撮影します。好みの色や画像を背景に使うことができます。
パソコンモニターが明るいので、夜の室内の照明でも撮影できます。上の作品も21時に撮影しました。平日の日中は働いているため、夜に撮影できることが最大のメリットです。パソコンデスクに水を張ったお盆をセットしているため、水をこぼさないように注意が必要です。水を捨てられるバケツを事前に用意して、撮影が終わったらすぐに水を捨てるようにしています。
自分の作品を背景に利用する
事前に背景に使用する作品をいくつかセレクトしておきます。しずくをセッティングして、おおよそで構図とピントを決めて、最後に水を注ぎます。
あらかじめセレクトしておいた自分の作品を表示します。表示ウィンドウを移動して、映り込みの位置を調整します。
作品のボケの部分を拡大表示して、映り込みませて利用することもあります。
LEDライトの光をパソコンモニターに照らして光を補ったり、手前にレフ板を置いてパソコンモニターで逆光になったしずくを明るくしたり、状況に応じて明るさを調節します。
メモ帳を背景に撮影
テキストエディターの「メモ帳」を全画面表示にして、真っ白な背景を映り込ませた状態です。パソコンモニターに表示する画像で、背景の部分が変化します。
作品のボケを拡大して背景に使う
自分の作品の玉ボケの部分を拡大表示して、水面に映り込ませて背景を作りました。拡大する位置を動かしながら、背景に来る色やボケ具合を調節します。
<玄光社の本>