しずく作品集&撮影テクニック
第2回

「しずく」の中に映り込むもう一つの主役を上手に映し込むコツ

しずく作品集&撮影テクニック」(浅井美紀・著)より、水滴の中に別の被写体をきれいに映し込む方法をご紹介します。

本書における「しずく写真」はマクロレンズによる接写を基本としていますが、水滴をレンズのように使うことで、被写体となる花や水滴だけでなく、被写体より奥にあるものを映し込める点が大きな特徴です。花弁に載った水滴に別の花が映り込んだ様子には、人の目を引きつける独特の魅力があります。

しずくを載せる花びらは水をはじくかどうか種類を選びますが、しずくの中に映り込ませる花は種類を選びません。色や形の見栄えで選べます。映り込みを作るコツを紹介します。

カメラ、しずく、背景の配置がポイント

しずくの中に映り込みを作るには、カメラのレンズ、しずく、背景の高さが水平になるように合わせ、一直線上に並べること。しずくがレンズの役割を果たすので、しずくの中の映り込みは、上下左右が反転します。

また、しずくの中の映り込みの大きさは、しずくと映し込みたい被写体の距離で変わります。しずくに映し込む花を近づけると映り込みが大きくなり、遠ざけると小さくなり余計なものまで映り込んでしまいます。

映り込み成功


レンズ、しずく、背景のガーベラを水平に並べ、しずくの中いっぱいにガーベラが映り込む距離まで背景のガーベラを近づけて撮影。美しい映り込みのしずくができました。

余計なものが映り込む


レンズ、しずく、背景のガーベラを水平に並べていますが、しずくと背景のガーベラの距離が離れ
ています。ガーベラが小さくなり、周囲のものまで映り込んでしまいました。

しずくより高い位置から撮影


しずくより高いアングルから撮影。後ろのガーベラもしずくより高い位置にセッティングしています。しずくを載せている花びらも映り込み、後ろのガーベラは下の方に映っています。

しずくより低い位置から撮影


しずくより低いアングルから撮影。後ろのガーベラはしずくより低い位置にセッティングしています。上下左右反転するので、後ろのガーベラは上の方に映り込んでいます。

映り込みのバリエーション

●連続したしずく

Canon EOS Kiss X5 EF-S60mm F2.8 マクロ USM 60mm(96mm相当) F20 1.3秒 ISO1600 AWB

コワニーの茎にしずくをぶら下げ、カメラを傾け構図を工夫して撮影しました。しずくいっぱいに背景を映し込むため、大きめのバラを選んでいます。背景の花が大きいと、しずくいっぱいに映し込んでも距離を離すことができるので背景ボケを作りやすくなります。

●アリと一緒に

Canon EOS Kiss X5 EF-S60mm F2.8 マクロ USM 60mm(96mm相当) F8 1/100秒 ISO400 AWB

花としずくをセッティングし、アリが来るのを待ちます。メインの2つのしずくは1mmほどの間隔しかなく、すぐにくっついてしまうので、無風の日を選び撮影しました。


しずく作品集&撮影テクニック

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著者プロフィール

浅井 美紀


(あさい・みき)

北海道帯広市生まれ。幼い頃から写真鑑賞が好きで、多くの写真を鑑賞。

2012年5月に初めて一眼レフカメラを購入。早朝に見たしずくの美しさに魅了され、マクロレンズでしずく作品を作るようになる。写真投稿サイト「500px」にしずく作品を投稿し、マクロレンズを通した神秘的な写真はイギリスのカメラ雑誌などで取り上げられ、日本でもさまざまなメディアで紹介される。

2015年2月に、初の写真集『幸せのしずく World of Water Drops』(扶桑社)を刊行。現在も会社員として働きながら、休日に花やアリと一緒に撮影した、小さなしずくの世界を作り続けている。

書籍(玄光社):
しずく作品集&撮影テクニック


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