アイドル衣装デザイン図鑑
第3回

王道アイドルのステージ衣装に見るバランスとディテール表現

メディアやステージで活躍するアイドルの衣装は、本人やグループ、あるいは曲のイメージに合ったものが作られます。キャラクターデザインにおいても、衣装はキャラクターの個性を表現する重要な要素です。

アイドル衣装デザイン図鑑」は、主に女性アイドルが着る衣装デザインをもとに、キャラクターのイメージに合った衣装の描き方を伝える切り口の指南書です。定番イメージのアイドル衣装から、特定のテーマをモチーフにしたオリジナル衣装、素材感や装飾などのディテール、配色にいたるまで、女性キャラクターの魅力を引き出す表現を多数収録しています。

本記事では、第2章「定番アイドル衣装」より、実在のアイドルでも着ているのをよく見かけるステージ衣装とポーズのいくつかをご紹介します。

アイドル衣装デザイン図鑑

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定番ステージ衣装

軍服をアレンジしたステージ衣装。かっちりとした襟や肩章などで制服感を出しつつ、星などのポップなモチーフを入れるのがポイント。

  • コルセットでウエストを細く見せ、女性らしいシルエットを作るのが軍服をかわいく見せるコツ
  • フリンジのついた肩章をつけると軍服らしくなる
  • ボックスプリーツのミニスカートで元気な印象に。下半身の装飾を少なめにするとバランスがよくなる
  • パフスリーブでかわいらしい雰囲気に。やや大げさなくらいに大きく、メリハリをつけて描くのが二次元のポイント
Front Style
Back Style

腕を上げたときの表現

脇のパースに沿って生地が引っ張られる。縫い目のラインをしっかり描くことでリアルに表現できる。

両腕を上げると、ジャケット全体が引っ張られて裾のラインが上がる。左右に少し広がるイメージ

立体的な襟の表現

襟と首の接触面が大きくなるほど、前身頃の開きは狭くなります。

  • 襟は首の円柱に沿う形になる。首との接触面の幅によって、ジャケットの開きが変わってくる
  • 前身頃の開き具合は、襟の開きと連動している

  • 正面から襟を見たとき、左右に開いている。首の後ろから襟がきているような立体感をきちんと表現するのがポイント。

夏フェス衣装

セーラー服をセクシーかつカジュアルにアレンジした、夏フェスにぴったりの衣装。お腹出しや透ける素材の袖で肌見せして夏らしく。

  • セーラー服の袖を透ける素材のフレアスリーブにアレンジ。リアルだと少し重たくなりそうなボリュームだが、二次元なので大きく描いたほうがバランスがよくなる
  • 腰の片側にリボンを結んでアクセントに。アシンメトリーなデザインだとカジュアルさがアップする
  • ボーイッシュなサスペンダーを素肌につけることで、セクシーかつスポーティに
  • 靴底の厚いスニーカーで、脚を長く、スタイルよく見せている
    Front Style

     

    Back Style

     

 


<玄光社の本>

アイドル衣装デザイン図鑑

著者プロフィール

Kyachi

女子美術大学デザイン学科卒業。在学中よりソーシャルゲームや書籍などでイラストを執筆。pixivにて、自身が作るコンテンツ『動きのあるポーズを描く時にコントラポストでいうのとか重心のこととかいろいろ便利みたいです』が20万人超のブックマーク数を獲得した。

書籍(玄光社):
動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編
動きのあるポーズの描き方 男性キャラクター編
キャラクターの色の塗り方
ドレスの描き方

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