フィルムカメラ・スタートブック
第2回

フィルムカメラの扱いは慎重に。やるべきことと、やってはいけないことリスト

私たちがスマートフォンで写真を撮るのはもはや日常です。でも、フィルムカメラで撮ったアナログ感のある写真も素敵ですよね。扱いが難しい印象のあるフィルムカメラですが、いくつかのことに気をつけておけば、実はそれほど難しくありません。

フィルムカメラ・スタートブック」は、フィルムカメラをはじめたい人のために、実際にフィルムカメラで作品制作を続けている写真家 大村祐里子さんがフィルムカメラについてわかりやすく解説する書籍です。

フィルムカメラを扱う上での注意点から、取り上げた機種ごとの特徴や使い方、いま手に入るフィルムなど、本格的にフィルムカメラを使っていく上で必要な情報を網羅しており、「実際にフィルムカメラを使っている人が、どんなところに魅力を感じているのかを知りたい」「フィルムカメラの使い方を勉強したい」といったニーズに応える内容となっています。

本記事では、フィルムカメラを扱う際の注意点をまとめた「フィルムカメラのお作法」を紹介します。

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フィルムカメラ・スタートブック

始める前に知っておこう、フィルムカメラのお作法

フィルムカメラで楽しく撮影するためには、ちょっとしたポイントやコツがあります。そして、絶対にやってはいけないことも……。もちろんそんな無理難題はありませんし、むしろ当たり前のことも多いんですよ。撮影前の心構えのひとつとして、ざっくり読んでみてください。そして、迷ったときにはあらためてこのページに戻ってくれば、すぐに身につきます。

そのフィルム、カメラに合ってますか?
35mm判のカメラには35mmフィルム、中判カメラにはブローニーフィルム、といったように、カメラにはそれぞれに合ったフィルムサイズがあります。

フィルムはちゃんと巻き上がってる?
フィルムの巻き上げの際きちんと巻き上がっているか確認しましょう。裏ぶたを閉めたあと巻き上げが軽い感触のときは要注意です。巻き上がっていない可能性があります。

フィルム、入ってる?
しばらく使っていないカメラにフィルムを入れていたかわからないときは、巻き戻しの作業をしてフィルムの有無を確認してから裏ぶたを開けましょう。

力まかせに扱わない!動作はゆっくり丁寧に
フィルムの巻き上げを力任せに勢いよくやりすぎると、フィルムがカメラ内でちぎれてしまうことがあります。カメラを操作するときはゆっくり丁寧に、を心がけましょう。

フィルムを入れたら感度を設定して!
露出計のついているカメラは設定されたISO感度によって露出を算出します。設定を間違えてしまうと写真が極端に明るくなったり暗くなったりします。

暑いところに放置しないで!
暑すぎるとフィルムが傷みます。また、60℃を超えるとカメラの樹脂が軟化します。巻き上げやシャッターが不調になる可能性もあります。真夏の車内は特に注意!

撮影中は絶対に裏ぶたを開けちゃダメ!
巻き戻す前のフィルムが入った状態で裏ぶたを開けてしまうとフィルムが感光して、せっかく撮ったカットがダメになります。不具合を感じたら裏ぶたを開ける前に必ず巻き戻しましょう!

期限切れのフィルムって使っていい?
フィルムの品質は時間が経つごとに変化します。写らないわけではないのですが、感度が低下して嫌な感じにザラついたり、色の鮮やかさが失われたりします。

フィルムカメラには手ブレ補正なし!カメラをしっかりホールドしよう
手ブレ補正機能は当然のように搭載されていないので、デジカメより圧倒的にブレやすいです。遅いシャッタースピードのときは特にしっかりホールドしましょう。

古いカメラほどシャッタスピードを決めてからフィルム巻き上げを!
古い機械式のカメラは、構造上、巻き上げ後にシャッタースピードや絞りを変えると壊れる可能性があります。古いカメラをお持ちの方は注意しましょう。

写真を撮るときに太陽を直接見ないで!
フィルムカメラはファインダーを通った光を肉眼で見ています。強力な太陽光を直接見ると、眼を傷めるだけでなく、シャッターが焦げるなどカメラの故障の原因になります。

写真を撮らなくても、ときどきカメラを動かそう!
長い間カメラを放置すると、レンズのピントや絞りリングが回転しなくなったり、シャッターが切れなくなったりします。ときどき、カメラを触って動かしてあげましょう。

撮り終わったらできるだけ早く現像しよう!
フィルムは生ものです。撮影済みのフィルムはできるだけ早く現像に出しましょう。すぐに出せない場合はフィルムをプラスチックケースに入れて冷蔵庫で保管しましょう。

フィルムってどこで保管したらいいの?
フィルムの性能を保つためには、涼しくて、湿度が高くない場所で保存しましょう。具体的には、20℃以下の低温、50% RH以下の湿度のところが理想です。

撮り終えたフィルムをポケットに入れたまま洗濯しちゃったらどうする?
洗剤に含まれる酵素でフィルムの乳剤膜が溶けてしまうことがあります。ビニール袋に入れてできるだけ早くお店に相談しに行きましょう。

旅行で飛行機に乗るときはフィルムのオープンチェックを!
手荷物検査で使われるX線で、フィルムが感光する恐れがあります。手荷物検査時には機械を通さず「オープンチェックお願いします」と言って手検査してもらうようにしましょう。

現像したフィルムは捨てないで!
写真をプリント・データ化したからといって現像済みのフィルムを捨てないようにしましょう。あとでまたプリント・データ化することができなくなります。

カメラはもちろんフィルムも水に弱いので雨の日の撮影には気をつけて。
カメラは水に濡れると中が錆びたり、カビます。レンズが浸水すると水が抜けません。電子部品があるカメラは壊れてしまいます。水に濡らさないように注意しましょう。

現像後のフィルムを指で直接触らないこと
現像後のフィルムを指で直接触ると指紋がつきます。すると、プリントやデータ化したときにその指紋まで写り込んでしまいます。触るときは専用の手袋をしましょう。

カメラを洗剤で拭いたり洗ったりしないこと!
カメラはとてもデリケートです。汚れたからといって洗剤を使ったり、水で洗ったりすることは避けましょう。汚れた時は専用のクリーニング液で拭くと良いでしょう。

カメラ・レンズは湿気をさけて保管すること
フィルムカメラやレンズを湿気の多い場所で保管するとカビます。風通しのよいところに置いておきましょう。防湿庫をお持ちの方は、そこに入れて保管しましょう。

汚れたからといってレンズをゴシゴシ拭かないこと
レンズが汚れたら、布等で強く拭かないようにしましょう。拭きキズがつきます。ブロワーでゴミを飛ばした後に専用のクリーナーとペーパーを使って優しく拭きましょう。


フィルムカメラ・スタートブック

著者プロフィール

大村 祐里子


(おおむら・ゆりこ)

1983年東京都生まれ
ハーベストタイム所属。雑誌、書籍、俳優、タレント、アーティスト写真の撮影など、さまざまなジャンルで活動中。雑誌連載:『フォトテクニックデジタル』にて「身近なものの撮り方辞典」を連載中。

ウェブサイト:YURIKO OMURA
ブログ:シャッターガール
Twitter:@Holy_Garden

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本の制作過程を編集日誌で公開しています

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