*2022年6月30日 映画公式サイトが無くなったため、記事内の公式サイトのリンク先を松竹株式会社のサイトに変更いたしました。
「死」を通して「生きること」「家族の在り方」を描く物語
CMディレクター森ガキ 侑大氏が初めて挑んだ長編映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」で、第39回ヨコハマ映画祭で森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞した。
ソフトバンクや資生堂など、数々のCM演出を手掛けるかたわら、2014年にショートムービー「ゼンマイシキ夫婦」で小津安二郎記念映画祭準グランプリなどを受賞。学生時代からの夢であった映画製作に一歩近づいた。
「運よく賞ももらって、映画界に人脈ができましたが、すぐに長編を撮ろうという話にはならなかった。自分が長編一作目で撮りたいものを探している時に山崎佐和子さんのオリジナル脚本に出会って、これはぜひ映画化して世に出したいと思ったのです」。
新人監督、新人脚本家、オリジナルという、絶対に映画にならない条件が揃っている中、資金集めに奔走し、4年近い歳月をかけて、2017年11月、劇場公開された。
撮影は2016年の夏。約1ヵ月かけて、熊本県人吉でロケを行なった。おじいちゃんの死を端緒に、主人公を巡る家族や周囲の人々のリアルな本音を通して生きること、家族の在り方が浮き彫りになっていく。
すでに次回作に向けて動き始めている森ガキ監督だが、もちろんCMの演出も続けていく。
「CMも映画も、映像で人の心を動かすことに変わりはありません。むしろ相乗効果を出せるように、いいものを作り続けていきたいです」。