フィルムカメラ・スタートブック
第10回

フィルムカメラは中古品。買う時に気をつけたいポイントはどこ?

私たちがスマートフォンで写真を撮るのはもはや日常です。でも、フィルムカメラで撮ったアナログ感のある写真も素敵ですよね。扱いが難しい印象のあるフィルムカメラですが、いくつかのことに気をつけておけば、実はそれほど難しくありません。

フィルムカメラ・スタートブック」は、現在写真機として主流にない、フィルムカメラの実用に焦点を合わせた書籍です。

フィルムカメラを扱う上での注意点から、取り上げた機種ごとの特徴や使い方、いま手に入るフィルムなど、本格的にフィルムカメラを使っていく上で必要な情報を網羅しており、「実際にフィルムカメラを使っている人が、どんなところに魅力を感じているのかを知りたい」「フィルムカメラの使い方を勉強したい」といったニーズに応える内容となっています。

いま市場に流通しているフィルムカメラは、そのほとんどが現行機種ではなく、一度は誰かの手に渡った中古品です。本記事では、中古カメラを購入する際に気をつけたいポイントについて解説しています。

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フィルムカメラ・スタートブック

フィルムカメラとレンズを買うときに気をつけたいこと

フィルムカメラやフィルムカメラに付けられるレンズには新品の商品はほぼないと考えてください。そうなると購入するのは「中古品」がメインになってきます。中古品は人から人へと渡ってきたものですから、コンディションはさまざまで、ひとつひとつ程度が異なります。ここでは、中古でフィルムカメラを購入する際に注意したい点について8つのポイントを説明していきます。

1. 外観のキズを確認!

カメラの外観をじっくり観察し、凹みやキズがないかチェックしましょう。落としてしまったり、どこかにぶつけてしまったことでついたキズや凹みがある場合、そういった際に加わった衝撃でカメラ内部の各種機能が正常に働かなくなっていることがあります。できれば中古カメラ店のスタッフに正しく動作するか、また実際に動かしてもらうことができれば動かして確認しましょう。

2. 裏ブタを開けて黒いスポンジを見て!

赤い線で囲んでいる部分が「モルト」と呼ばれる黒いスポンジのような素材です。これには余計な光が入らないよう遮ったり、開閉時の衝撃を和らげる役割があります。販売されてから長いときを経て、フィルムカメラのモルトがボロボロになっていたり、剥がれてなくなっていたりすることがあります。お店でモルト交換が可能かを確認するか、器用な人なら自分で交換する手順を教えてもらうのもいいでしょう。

3. ファインダーを覗いてみよう!

ファインダーを覗かせてもらうことが可能であれば、ぜひ実際に見てみましょう。中にホコリやカビ、また曇ってよく見えないなどの症状がないか確認することが大事です。ファインダーは撮影時にピントを合わせたり、露出を確認したりなど大切なことを行うところです。ファインダーがクリアだととても気持ちよく写真が撮れますから、できるだけキレイなものを選びたいですね。

4. 電池室はきれい?

電池を長い間入れたまま放置していると、電池の中から電解液が流れてきてしまうことがあります。これは「液漏れ」と呼ばれます。漏れてしまった液体が、電池を入れる部分の金属を腐らせてしまうこともあります。こうなると清掃して新しい電池を入れても電気が通らずに正しく動作しないこともありますので、できるだけ電池室の中がきれいなものを選ぶのも重要なポイントです。

5. シャッターは切れる?

シャッターが切れないと写真は撮れません。また、シャッターが切れるだけでなく、シャッタースピードが正しく出ているかも大切。初めてのフィルムカメラ購入の場合、この確認はすこし難しいかもしれません。そんなときにはお店のスタッフに聞いてみましょう。裏ぶたを開けて、高速シャッター、中間、低速シャッターとシャッターを切ってもらい、シャッター幕の開閉時間を確認してみるといいでしょう。

6. 内蔵露出計は動く?

露出計を内蔵しているカメラを購入希望の場合、露出計が正しく動いているかを確認しましょう。明るいところ、暗いところそれぞれにカメラを向け、露出計の動きを確認します。できればお店のスタッフにも確認した方が確実です。露出計が作動していなくても写真は撮れますが、せっかく内蔵しているなら正しく動作してくれる方が精神衛生上もよいと思います。

7. レンズの中はきれい?

交換レンズを購入する際には、レンズを手に取らせてもらい、照明など明るい方へ向けて、中にゴミやカビ、白く曇ったような跡がないかチェックしましょう。レンズは前側よりも、後ろ側(ボディに装着する側)の傷が大きい方が写りへの影響が大きいので、前後ともに表面に大きなキズがないかも確認してください。お店によってはスタッフがライトを当てて状態を見せてくれることもあります。

8. ピントや絞りリングはスムースに動く?

特にマニュアルフォーカスのレンズの場合、ピントを合わせる際に動かすピントリングがスムースに動くかどうかも大切です。また絞りを変える絞りリングもスムースに動くかチェックしましょう。実際にレンズを手に取って確認できれば、自分の手で動かしてみるとわかります。多少重さがあっても、自身が心地よく感じられるならば問題ありません。


フィルムカメラ・スタートブック

著者プロフィール

大村 祐里子


(おおむら・ゆりこ)

1983年東京都生まれ
ハーベストタイム所属。雑誌、書籍、俳優、タレント、アーティスト写真の撮影など、さまざまなジャンルで活動中。雑誌連載:『フォトテクニックデジタル』にて「身近なものの撮り方辞典」を連載中。

ウェブサイト:YURIKO OMURA
ブログ:シャッターガール
Twitter:@Holy_Garden

初著書「フィルムカメラ・スタートブック」発売中
本の制作過程を編集日誌で公開しています

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