絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド
第8回

【三岐鉄道北勢線 礎原~麻生田】全国でもめずらしいナローゲージのゆる鉄スポット

写真を始めるきっかけのひとつに、「鉄道」を撮りたいという気持ちを持った方も多いのではないでしょうか。鉄道そのものをかっこよく撮りたい人、風景と併せて美しい四季を撮りたい人、旅先で出会う風情ある鉄道を収めたいなど、鉄道写真といってもさまざまなジャンルがあります。
昨今、撮り鉄のマナー問題が取り沙汰されることも少なくありません。本書「絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド」では、誰もが安全に、かつ素敵なシーンを撮ることができる撮影スポットを、雄大な風景が撮れる「絶景」、車両をメインに撮影できる「バリ鉄」、著者が得意とする「ゆる鉄」の3つのカテゴリーに分け、日本全国159か所紹介しています。

本記事では「絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド」から、全国の各エリアごとの撮影ポイントをピックアップして紹介していきます。

第8回は中部・北陸・近畿エリアから三岐鉄道北勢線 礎原~麻生田です。

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絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド

 

ゆる~いめがね橋の上を、おもちゃみたいなナローゲージが走る風景は、もはや国宝級。いつまでも残したいゆる鉄の風景だ。PENRAX K-x, F8, 1/500秒, ISO200, 18mm相当

三岐鉄道北勢線礎原~麻生田 めがね橋は最高のゆる鉄スポット

三岐鉄道は三重県北部で三岐線と北勢線を運行するローカル私鉄。今回ご紹介する北勢線は、三重県の西桑名と阿下喜を結ぶ20.4kmのローカル線で、全国でもめずらしいナローゲージ路線となっています。ナローゲージとは、線路幅が狭い鉄道のことで、新幹線が1,435mm、JR在来線が1,067mmであるのに対し、ナローゲージは762mmと新幹線の半分程度の幅しかありません。そのぶん車体の幅も狭く、まるでおもちゃのような黄色い電車が走る光景は、ゆる鉄派の僕としては、世界遺産級の風景なのです。

案内するのは、三連アーチが美しい「めがね橋」と列車を撮れる撮影地。めがね橋の周囲は田んぼと畑が広がっていて、近くの神社の鳥居などもあり、ゆる鉄を撮るには最高のシチュエーションになっています。

全長19.8mのめがね橋は、珍しいコンクリートブロック製。近くには同じく貴重な「ねじり橋」もあるが、引きがなく撮りにくい。SONY α99, F9.5, 1/60秒, ISO250, 22mm

撮影ポイント:Google Map

楚原駅からめがね橋まで約1.3km。めがね橋から約230m楚原側に流れる用水「六把野井水」に「ねじり橋」がかかっている。

ゆる鉄度:★★★★☆
アクセス性:★★★☆☆
撮影のしやすさ:★★★★☆
オススメの時期:通年


絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド

著者プロフィール

中井精也

Nakai Seiya

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。著書多数。
株式会社フォート ナカイ代表。
社団法人日本写真家協会(JPS)会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)副会長。甘党。

フォート ナカイ ウェブサイト
ブログ 1日1鉄!
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Instagram @nakai_seiya

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