いわゆる「写真館」では、人々が迎えた人生の節目や記念日の姿を写真に残すことを業としています。こうした写真を一般に「営業写真」と呼びますが、近年の営業写真は写真館の中で撮影するだけでなく、屋外で撮影するロケーション撮影も増えてきています。
「営業写真の撮り方見本帖」では、和装撮影をメインに活躍しているフォトグラファーの北井一大さんによる撮影の手法から心構えを伝えています。結婚式などのイベントや日常のワンシーンを思い出の1枚として残す技術と、それより先に持っておくべき考え方を学ぶことができる1冊です。
本記事ではChapter2「ジャンル別で見る営業写真の実践テクニック見本帖」より、七五三で家族写真を撮るシーンで留意する点について解説します。
家族全員の集合写真を撮る
背景の要素も意識しよう
背景に鳥居やしめ縄を入れ、神社の様子がわかるように広めに構図を決めています。レンズの焦点距離とカメラ位置を変えて、同日撮影した別カットと似た背景にならないように工夫しています。お子さんのポージングを変えるのもポイント。少しの変化がバリエーションを生み出し、マンネリを防ぐのです。
家族の並び方は、お母さんが着物の場合、主役のお子さんが真ん中でお母さんが向かって右、お父さんが向かって左に立つのがスタンダードです。お母さんが右に立つのは着物の上前(うわまえ)を美しく見せたいからです。
Lighting Point
木陰の間から射し込む光を使って撮影しています。陰影を生かし立体感のある描写になっています。
撮影のポイント
- 主役のお子さんは真ん中に立つ
- お母さんが着物の場合は、向かって左にお父さん、右にお母さんが立つ
- 親御さんは内向きにポーズする
- 鳥居などを入れ込み撮影場所を説明する
- 射し込むサイド光で立体感を演出する
- 参道の真ん中には人物を配置しない