撮影時のコンディションとして最も基本的で重要な要素は「光」です。撮影者は光が足りなければ照明を用意し、明るすぎればフィルターなどで露出を調整します。光の当て方一つとってもノウハウがあり、撮影者にとって光の使い方、付き合い方は永遠のテーマといえるでしょう。
「自然光だけで美しい ポートレートのつくり方」では、私たちの最も身近にある自然光だけを使ったポートレート撮影をテーマとして、基本的な考え方やノウハウを作例とともに解説しています。
本記事ではChapter5「特典Lightroomプリセットの使い方」より、3種類ある特典プリセットのひとつ「pop-yellow」の作例と調整例を紹介します。
プリセットの紹介:pop-yellow
多くの人を引きつけるビビッドな発色、シンプルかつ明るい少年期のような元気なイメージが得られる。
インパクトのある絵作りにもってこい
BEFORE
AFTER
上の写真でキーカラーとなっている黄色を中心に彩度、輝度を高めてビビッドな発色に仕上がるプリセット。ポップさ、活発な印象を引き出すのに向いている。全体の発色が強いため、人物には使いづらいように感じるかもしれないが、緑や青の彩度も上げて、過度に肌が黄色くならないようにバランスをとっているのでご安心を。
おすすめのシーンとしては、写真のように大胆な色の背景や被写体が入る場合には一度試してもらいたい。また友人などとのカジュアルな集合写真に適用すると、楽しいムードをより一層高めることができるだろう。
そのほかに、コントラストがしっかりつく設定なので、逆光などのシーンにも適合しやすい。逆に順光ですでにコントラストがついたものは、[ハイライト]や[シャドウ]でコントラストを和らげたり、「彩度」の数値を下げてバランスをとると、丁度よく見えるはずだ。
STEP1:プリセットを適用
プリセットを適用すると、コントラストがつきすぎた印象があるので毒々しくならない仕上がりを目指したいところだ。さらに黄色の壁、背景の緑を鮮やかに見えるように調整していくと、完成度が高まると判断した。
STEP2:[色温度]と[色かぶり補正]と[露光量]を調整
まずは、[色温度]を青方向に、[色かぶり補正]を緑方向に移動して赤みを抑えた。肌の明るさを目安に[露光量]をプラス方向に移動してベースをつくった。
STEP3:[シャドウ]と[白レベル]と[黒レベル]を調整
逆光で空が明るくなっているため[白レベル]をマイナス方向にして、最も明るい部分を落として階調を残す方向に。[シャドウ]をマイナス方向に振り、髪の毛を暗くして、全体のコントラストを出している。
STEP4:[HSL/ カラー]で色を調整
画面下部を占める黄色のオブジェを強調する意図で[HSL/ カラー]の[イエロー]→[色相]を緑方向に移動することで、ポップな発色になるように調整している。このように[HSL/ カ ラ ー] を使うと個別の色成分を調整できる。ピンポイントで色を調整したいときに重宝する機能だ。
調整前
調整後