自然光だけで美しい ポートレートのつくり方
第3回

「自分の心が動く瞬間をとらえる」ために撮影機材を少なくする

撮影時のコンディションとして最も基本的で重要な要素は「光」です。撮影者は光が足りなければ照明を用意し、明るすぎればフィルターなどで露出を調整します。光の当て方一つとってもノウハウがあり、撮影者にとって光の使い方、付き合い方は永遠のテーマといえるでしょう。

自然光だけで美しい ポートレートのつくり方」では、私たちの最も身近にある自然光だけを使ったポートレート撮影をテーマとして、基本的な考え方やノウハウを作例とともに解説しています。

本記事ではChapter1「写真は光と影」より、自然光のみで撮影に臨む理由について解説します。

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自然光だけで美しい ポートレートのつくり方

自然光だけでシャッターチャンスを大事にする

ポートレートでは、試行錯誤の中でいい瞬間をとらえたい。そのためにはカメラ1台で自然光だけで撮るのが理想だ。

ポートレートには自然光が基本だと僕は思っている。それは、カメラ1台で撮るということだ。人によっては、レフ板を使ったりストロボを使ったりして、光をコントロールする。それに対して本書では、そういった機材を使わずにカメラ1台で自然光で撮る世界を紹介している。

その理由は、一瞬をとらえたいからだ。ここまで書いてきたように、ポートレート写真ではモデルをどう撮ればいちばん輝くのかを考えて撮る。場所や背景を考えたり、そのときの天気や明るさを考慮したり、構図や光の向きなどを工夫する。さらに、会話して雰囲気を作る。そうした一連のことを現場でいろいろ試行錯誤して、さまざまなバリエーションで何枚も撮影する。

撮影の様子

そうした中で、モデルの表情や動きのいい瞬間、自分の心が動く瞬間を逃がさずにシャッターを切りたい。そのためには、カメラ1台で撮る必要がある。レフ板を立てるとなると、人ももう1人必要になるし、撮影も大がかりになる。ストロボを使うとなると、セッティングや調整が必要になる。すると、いい瞬間をとらえたポートレートを撮るというのが難しくなる。僕の中のイメージでは、自然光だけで勝負しないと、自分の理想とする瞬間が撮れないと思っている。

ただし、自然光では与えられたもので勝負しなくてはならない。そこが難しい部分でもあり、楽しい部分でもある。

撮影した写真

35mm フルサイズカメラ 62.9mm F3.2 1/400 秒 ISO400 4月中旬 11:33

自然光だけで美しい ポートレートのつくり方

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