自分の作品や自社の商品を紹介する手段のひとつとしてSNSを使う手法は定着して久しく、さりとてこれを自分でやってみると、意外と思ったようにはいかないものです。写真をはじめとしたビジュアルの組み合わせによって作品やブランドの持つ世界観を表現する基本は今も昔も変わりませんが、そのノウハウは日々進化しています。
「Instagram あたらしい商品写真のレシピ」では、Instagramの特性と他SNSとの比較や、カタログとして機能させるための具体例、掲載写真の作例まで、一般ユーザーから一歩踏み込んだ、作り手による情報発信の視点で役立つ実用的なノウハウを幅広く紹介しています。執筆を担当しているのは、インスタグラムをはじめ活躍の場を広げているフォトグラファー/インスタグラマーの綾さん、古性のちさん、6151さん、新田知沙さん、中野晴代さん。
本記事ではStep4「被写体×世界観に合った撮り方を覚える」より、料理を撮影する際のコツを紹介します。
料理×ノスタルジック
周りの小物との明暗差を上げて野菜スープの鮮やかさを表現する
撮影難易度 ★★★
撮影データ:F4.5・1/200秒・ISO400
Item
・レンズ交換式カメラ(SONY・α7Ⅱ)
・標準ズームレンズ(TAMRON・28-75mm F/2.8 Di III RXD)
・画像編集アプリ(モバイル版Adobe Lightroom)
・柔らかい素材の布巾
・スプーン
Recipe
1. スープの表面やトッピングの野菜に艶感が出るように、逆光の位置に被写体を置きます。
2. 被写体に添える布巾は動きをつけて配置し、立体感を出すことで画面が単調にならないようにします。
Memo:テーブルや小物の色味を抑えることで、主役のスープの彩りが引き立ちます。
3. 説明的な画にならないように、小物が少し見切れる画角でとらえます。テーブルの木材の継ぎ目が水平になるように撮ると、安定感のある写真になります。
Memo:レンズの焦点距離を50mm前後に設定すると、自然な印象になります。
4. 野菜の鮮やかさが際立つように、画像編集アプリでコントラストを上げる調整をします。
Check
被写体や小物で画面に流れをつけることで、見る人の視線を誘導し、リズムや奥行きを出すことができます。